第3回例会

 第3回「無名戦士」開催が、たまたま12月8日ということもあって、祖先を偲ぶるのSLGという展開も充分に考えられたが、管理人を含めてなぜか大東亜戦争のアイテム所有数が少ない無名戦士の面々。まあ、目線を西に転ずれば、バルバロッサ作戦の頓挫が明らかになった頃合いでもあったので、ここは一発、新興サークルの勢いを見せつけにゃあならんということで、なぜかブチあげられた『Operation Typhoon』(SPI/HJ)6人プレイ企画。


 事前の確定人数では7名という線が濃厚だったので、ドイツ軍4人・ソ連軍3人の対戦を予定していたのだが、元足利シミュ研の会長の山岸さんも駆けつけてくださったので、変則8人プレイに決定。独軍3人、ソ連軍3人に対して、管理人の宮永と遠田さんがそれぞれ最高司令部として命令を出し、各プレイヤーには中間管理職の悲哀を存分に感じ取っていただこうとの思いで始まった「真・タイフーン作戦」。陣容は次のとおりである。


独軍プレイヤー 担当 赤軍プレイヤー 担当
管理人 宮永 軍集団司令官 遠田 STAVKA
善如寺 第3装甲軍 神村 クリン正面
栗原 第4装甲軍
第4軍の一部
先生 モスクワ正面
入江 第2装甲軍
第4軍の一部
山岸 ツーラ正面

フルマップ3枚はさすがに広い中央奥手に見えるのがモスクワ。手前中央がツーラドイツ軍は手前から入江・栗原・善ニョという配列


 さて、「オペレーション・タイフーン」といえば悪名高き支援ポイント配分ルールである。これは決められた支援ポイントを4個軍にそれぞれ割り振り、さらにダイスチェックをして最終的な支援を決定するというもので、このポイント数しか、軍所属の軍団司令部を活性化できない。電撃戦の終焉と冬が到来したモスクワ前面の厳しさをあらわすルールだが、4ターンにわたり拘束性を持つ強烈なルールであり、自軍の行く末を左右する部分が大であるので、マルチプレイでは、いつケンカが始まってもおかしくない状況となる。そこで上級司令部である私の最終決定として割り振りを行った次第である。さて、秘匿でプロットする独軍勝利条件は、敵部隊の徹底的撃破。モスクワを無視して、ひたすら盤外に突破するというもので、当然、勝利条件を追求する過程で、敵ユニットも除去されるであろうというもの。となれば、南方の第2装甲軍に主攻勢をとらせるべきなのであるが、なかなか「政治的思惑」にがんじがらめになっている管理人としては、そういうわけにも行かず、とりあえず機会均等策と言うことでまんべんなく振り分けるという妥協策を採る。しかし、これが完全に裏目に出たドイツ軍。なんと第3装甲軍「2」、第4装甲軍「1」、第2装甲軍「1」、第4軍「0」などと、それでは残りの6ポイントはどこに消えたんですか?と突っ込みまくられること十数分の大失態。しかし、あくまで強気の姿勢を崩さない宮永中央軍集団長は、4ターンまでに、第3装甲軍にはクリン攻略、第4装甲軍にはセルプコフ隣接、第2装甲軍にはツーラ強襲を命じるという専横ぶり。こうして無理な攻勢を強いられた独軍は、ソ連狙撃兵師団の戦力チットの出目の良さにもたたられて、無益なステップロスを重ねまくる有様。第3ターン終了時には、第4装甲軍の前線には、歩兵連隊にへばりつくようにして生きながらえている基幹部隊が山のようにあるという惨状である。それでも天候に恵まれた独軍は、南方で比較的順調に進捗し、ツーラの包囲まであと一歩というところまでこぎ着けるも……


戦線背後に回り込んだソ連軍ユニットによって補給切れに追い込まれる第3装甲軍左翼。
更迭ものの大失態である。


 補給の鬼、遠田書記長によって補給ラインの寸断策を発見した同志神村は、まよわず自動車化師団を投入して、第3装甲軍の左翼に、補給の大穴を開けることに成功する。しかも、第2装甲軍側面でも、補給線の穴が発見されるに及んで、いよいよ顔色なき独軍司令部。しかし、そんな策は俺の美学がゆるさんとして、あくまで正攻法を主張する山岸氏は、活性化して突出している第24装甲軍団の根本を締め上げるようにして、突破口をこじ開けようとしている。まさに一進一退の展開である。


 そんな折り、各所の掲示板への書き込みで「無名戦士」を発見したという、片山さん御一行(4名)が到着する。群馬県高崎市を中心に定期的にプレイされているとのことで、今回はわざわざこちらまで足を運んでくださった次第。プレイされるのはナポレオニックや南北戦争がらみが大いとのことで、古代戦はともかくも、ナポレオニック前後にめっぽう弱い「無名戦士」にとっては、なんとも心強い先達の参入である。感謝いたします。


Austerlitz(GMT)のチュートリアル・プレイ
本来はフルマップ2枚のビックゲーム

こちらはブーム再来の「Imperium(GDW)」
しかもGDW版と言うところが古強者の貫禄だ。


 今回、片山さん達の参加表明が間際だったため、こちらからの対戦提案はできなかったのであるが、持参のゲームでいろいろと野心的な対戦を組んでいらっしゃった様子。


 さて、オペレーション・タイフーンのインストも一回りし、天候決定とルール調整以外に仕事がなくなった管理人と遠田氏で何か対戦しようということで、恒例の「スパルタクス」の対戦である。


いよいよ対戦6度目となる「スパルタクス」
次回はヴァリアント「ピュロスの勝利」か?


 これまでもずいぶんと対戦してきたが、今回は趣向を変えて、ゲームに勝つためではなく、歴史に勝つために何ができるかということを詰めてみた。反乱軍は宮永、ローマ軍は遠田氏である。まず反乱軍は、いまだ成し遂げたことのないローマ占領を試みるが、どうにか平野属州10エリア確保の目処が立つも、序盤で無理する展開では、スパルタクスをラティウムに張り付けておくこともかなわず、攻城兵器の建造は物理的に不可能。逆にローマは、初期2個軍団で反乱の出足を止める作戦に出るが、ふくれあがるスパルタクス本隊を見て、これを断念。しかし、この積極策が、ローマ包囲の危機を救ったともいえる。かくなる上はと、シシリア上陸を目論む反乱軍だが、今度は冬の海に阻まれて断念。積極策に出るローマ軍に対し、あまり打撃を与えると、10ターンにクラッススの増援が来てしまうことを警戒した反乱軍は、回避優先で臨むのだが、こうなると、自然とハイ・スタックになり、いつもローマ軍に張り付かれているので、アップグレードもできない。消極的な反乱軍には、常につきまとうというのは案外いい手かも知れない。しかし、結局はクラッススを投入したローマ軍。これを嫌って逃げ回るスパルタクスだが、そのために、動員もうまくいかず、時を追うごとにじり貧になっていく。そして遂に、ローマ軍本隊に捕捉されて、ほとんど丸裸にされてしまうが、どうにか撤退成功。最終ターンには、ほとんど供の者しか連れていない状態で、8個軍団と戦う状況に。最終ターンには、反乱軍は戦闘回避をできないので、これは仕方がないのだが、せめて一矢報いようと、前線に出てスタックしてきたクラッススの軍団に、まず海賊ユニットを当て、その後で剣闘士団を当てるという念の入れよう。遂に3方向から包囲攻撃を受ける剣闘士団であるが、自らが倒れると同じくして、クラッススの第8軍団と差し違えて、クラッススを巻き添えに戦死する。なかなか劇的な展開だったが、結局ローマのポイント負け。ポイントではどうしてもローマが不利なので、競技性を高めるには、何らかのポイント修正が必要だろう。


『ロシアン・キャンペーン2(Jedko/CMJ)』

 『オペレーション・タイフーン』の方は、5ターンの支援判定が、ドイツ軍にとってかなり有利だったこともあって、ついに、セルプコフ陥落寸前まで第4装甲軍が前進するが、第3装甲軍は相変わらず補給切れに苦しみ、なかなか押し込めない。しかも、第2装甲軍方面では移動ミスからか、第24装甲軍団司令部が赤軍の包囲を受けて除去されるという悲惨な有様。もはやツーラ強襲どころではなく、戦線維持も怪しくなってきた。


 そんな激戦を見ていると、無性に東部戦線者がやりたくなってきた遠田氏。管理人は、東京で行われた友人の結婚式の空き時間に、YSに飛び込んで衝動買いした,トレーディング・フィギュア・ゲーム「Mage Knight」をやりたいと思ってもいたのだが、まあ、こんなミニチュアはいつでもできるので、遠田氏との相談で「ロシアン・キャンペーン2」のプレイに決定。私は未プレイだったのだが、ルールも簡単とのことで、30分ほどチュートリアルを受けてから、枢軸軍=遠田氏、赤軍=管理人という陣容でゲーム開始。南方軍集団の進撃が非常に鈍かったが、中央と北方は史実以上に順調に展開。しかし、スモレンスクに接したところ(9〜10月)で、なんと「泥濘」発生。続いて「積雪」が出て、スモレンスク正面で完全に膠着状態に陥ったドイツ軍。ちょうどこの頃、「オペレーション・タイフーン」卓でも、ギリギリのラインで攻勢を維持していたドイツ軍に対し、無情にも凍結・降雪という天候が訪れて士気崩壊。ゲーム投了となる。


ImperiumとAusterlitzが終了した片山さん達は、サンセットから再販されたばかりの「関ヶ原(エポック/サンセット)」のインスト・プレイをしており、残り時間も半端なことから、タイフーン・チームは次回の例会に向けた練習プレイをすることに決定。まず遠田氏は、善ニョと神村君に「戦艦の戦い」をチュートリアル。おのおの一隻ずつ(艦名は不明)のフリープレイだったが、マーカーが山積みになる様は壮観。第43号のコマンド誌には「戦艦の戦いlite」という形で再付録されるとのことなので、いまから楽しみである。


傑作戦略級ゲーム『Hannibal』


 どうでもいいことだが、貴重な大学4年間(+2年間)を西洋古代史の研究などという、まったく生産性のない学問に捧げちまった管理人。宿命的にコレクションの多くは古代戦がらみだったりするのだが、ちょうどアバロン・ヒルがハスブロー社に吸収される前後の時期には、ゲームから遠ざかっていたこともあって、HannibalやSuccessorsなどの存在を知らぬまま数年を過ごしてしまったのである。そしてSLGに復帰して2年。学生の頃とは比較にならぬ経済力をひっさげて、目に付くゲームはひたすらドカ買いの日々ではあったが、どうにもアバロン・ヒルのゲームは、ユニットがかび臭くて苦手というイメージのまま、卒論のテーマともろにかぶるという理由でSuccessorsだけしか入手していなかったという次第である。それでも、あちらこちらで散見する高評価と、先日YSGAの例会にて目撃したのがきっかけとなって、ヤフオクの落札希望価格一発買いを断行。返す刀でThe Republic of Rome(AH)も落札してしまう激廃コンボ。そんな訳アリのゲームたちであるが、例会に先立つ管理人宅でのプチ集会で、Hannibal(AH)がむちゃくちゃ面白かったということもあり、今回は、私と先生がサポートにまわっての、入江さん(カルタゴ)vs.栗原さん(ローマ)の対戦。イベント・カードの史実内容や地名が、ほとんどのプレイヤーにはなじみがないという、古代戦にありがちな穴こそあったが、ゲームシステム自体は大好評。ポエニ戦争などの史実に興味があれば、大ハマリ間違い無しの一品である。というわけで、このシステムのゲームに流行の兆しが見えたところで、時間切れ散会となった。
 
例会終了後は、先生宅近所の海鮮居酒屋で忘年会。ビギナー会員もいろいろなシステムに慣れてきたし、次回の例会では、またユニークなゲームができそうだ。個人的には『Thirty Years War(GMT)』かな?




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