第5回例会

サンセット・ゲームの代表である古角さんの遠征をきっかけに、在京SLGサークル・ミドルアース東京支部との合同例会ということでスタートした、無名戦士 第5回例会の報告をアップさせていただく。当日の参加人数は24人。だいたい12〜3名で安定飛行かな?と思われた矢先のこの盛況ぶりには、正直言って度肝をぬかれたが、さすがにこの人数規模になってくると、全体のプレイ状況を把握するのは難しいが、私からの報告は分かる範囲でさせていただき、後は参加者の皆さまの報告を転載させていただきたく思う。


The Korean War(EP/サンセット)
「え!4ターンでこれしか進んでないんですか?」と観戦者に驚かれるほどのへっぽこ人民軍。


というわけで、せっかく古角さん(社長)が見えていることだし、このところ古代戦&P to Pばっかりやっていた気がしていたので、遠田さんと私とで「The Korean War」をプレイ。遠田さんが国連軍、私が『朝鮮共和国』軍である。とはいえ、2人とも、今回が初ゲーム。ルール自体はオーソドックスな部類であるものの、戦車連隊や特殊大隊などの使い勝手が分からないまま、戦線はずるずると膠着してしまい、あげく、8ターンまでに金日成ラインを超えないとサドンデス負けという、根本的な勝利条件を忘れていることを観戦者から指摘されるというヘボっぷり。遠田さんとしてもいろいろと悔いが残るプレイ内容だったとのことで、再戦を約して投了。

註:後日、立場を入れ替えて再戦した時には、都市に籠もる韓国軍にぶつけた戦車連隊が返り討ちに遭うなど、それはそれで困った展開となったが、未だに遠い金日成ライン。まだまだ研究の余地ありと言うことで、楽しみが一つ増えた。


日露戦争(エポック/国通)
ベテランの高野さんが、栗原さんにインストプレイ。私も高校生の頃、高野さんに教えていただきました。


『日露戦争』は、高野さんと栗原さんでプレイ。今をさかのぼる十数年前、羽生市のSLGクラブに通っていた高校生の私は、高野さんに同じようにこのゲームを教えていただいたのでした(高野さん、覚えてます?)。その時は、私が凄まじいダイス目を連発して、なぜか勝ってしまったのだが、そんな勝ち負けなんかどうでも良いほど楽しいゲームだったことを思い出す。


TITAN(AH) 4人プレイ之図
丸山さん・久野さん・栗原さん・先生で2回ほどプレイされていた模様。


日露戦争を終えた栗原さんが合流しての、TITAN4人プレイ。丸山さんと久野さんは、私が羽生SLG研にいた頃に大変お世話になった方。お二人とも、この世界から足を洗って数年になるとの事だったが、久しぶりのプレイを楽しまれていた様子。経過は不明ながら、先生のスラッシュアタックにより、久野さんが2度に渡り撃破されたとのこと。


史上最大の作戦(EP/サンセット)
古角さんがドイツ軍、小嶋さんが連合軍でのプレイ。


別卓では古角さんと小嶋さんが「史上最大の作戦」をプレイ。以下、古角さんよりのメモを引用


2人共慣れていたので、わずか6時間で第8ターンまで進みました。これから米軍が独軍左翼から突破をはかるところに、独軍の増援が追いつくか、といった非常に微妙な戦況でした。小嶋さんはなかなかのやり手でした。


古角さんのピンセットさばきには、歴戦プレイヤーの渋味というか、凄味というか、なにか圧倒されるものを感じまくった。途中観戦していた遠田さんによれば、非常に模範的なプレイ内容だったとのこと。この卓の脇には、今週発売予定の「ドイツ南方軍集団」のユニットサンプルが展示されており、これも人目を引いていた。


La Bataille De Preussisch-Eylau(CoA)がADC2プラットにてプレイされる之図


 金井さんと片山さんがラップトップ型マイコンを囲んで談笑しているのを発見。「SLG会合にてマイコンゲームとは何事じゃあっ!」と憤慨しつつ(冗談です)のぞき込んでみると、最近評判になっている、パソコンを介したSLGであることが発覚。プラットはADC2とのことで、なにか覚えがあるような、ないような……

あっ!

 3年前、GMT社に『Lion of North』と『The Great Battles of Alexander Delax』を注文したら、なぜか2枚のフロッピーが送られてきたのを見て愕然とした、あのADC2であることが発覚。よく意味も分からずに、ただ日本の取り次ぎではもはや絶版になっているゲームが買えると勘違いした過去の罪である。それが目前でプレイされているのは、なにか感慨深いものがあったが、プレイ自体は金井さんによる報告の引用を、


 原ゲームは結構古いので、ルールがかなり変わっているのですが、ADC2版は、師団ごとにカラーコードを入れるなど現行ルールに沿った改訂が行われているのも魅力ですが、何と言ってもフルマップ2枚相当の上になかなかターンが進まないゲームなので、セーブできることが最大の利点です。ただ、フリーズはせずセーブ可能な状態ではありますが、けっこう頻繁に表示が乱れます(再描画機能では解消しない)。マップは原作にあった斜面ヘクスがなく、片山さんが修正した上でプレイしてます。まだ、操作に慣れない(特に金井)せいもあり、11日は1ターンしか進みませんでした。セットアップ自体も1週間前に3〜4時間かけてやってます。気長にプレイしたいと思ってます。
 
こう書くと、ろくでもなさそうですが、マップはともかくユニットはいい感じなので、私も買ってみようかと思ってます。ただバタイユでは、ユニットをヘクスサイド上に置いて、2ヘクスにまたがることを示すのですが、これはできないので、矢印の書かれた拡張マーカーを使用することになります。GBoHなどダブルサイズのユニットはどうなっているのか気になるところです。
 
ゲームシステムとしては、各軍数ポイントずつのコマンドポイント分チットを使用することができ、チット1枚で旅団・師団が動けます。フランス軍は軍団でも動かすことができますが、条件つきなので、1ターン目はその条件を満たすために、ナポレオンと、各軍団長が1ヘクスに集結してました。
 
展開としては、仏露両軍とも右翼が前進、中央も互いに前進して接触し、ありがちですが、史実よりも早く激突しそうです。ロシア軍は砲兵、フランス軍は歩兵の射撃能力が相手を凌駕しているのですが、砲兵は天候ルールで射程が制限されると無力化します。1ターン目は晴れでしたので、砲撃戦はロシア軍優位ですが、フランス軍の第1線は散兵なので、大した被害は与えられませでした。一方フランス軍は砲撃にプレッシャーを感じつつも、ボディブローのようにロシア軍歩兵に少しずつ損害を与え始めました。
 
2ターン以降の展開は、ロシア軍としては天候が気になるところ、また、フランス軍が軍団単位で動き始めると、突出させた中央が身動き取れぬまま撃滅されないか不安が残ります。フランス軍も、増援がくるまでは兵力で劣るので、プレッシャーは感じていると思います。


 ということで、細かいところまで説明していただけたので、ゲームに関する補足は無用かなと思う。パソコンの画面と、実際のマップの決定的な違いは、一目で全体の状況が把握できるかどうかの違いにあると思うのだが、セーブ機能と、なによりスペースをとらないという、日本の住宅事情にマッチしまくったADC2のようなツールは、やはりジワジワと浸透してゆくべきものなんだろうと実感。私のように、対戦相手に恵まれていてさえ、プレイできないままのゲームは100を超えて(単にコレクターなだけだろう!というツッコミは黙殺)いるので、今年中にはこのシステムにも精通したい。うん。


『モスクワ電撃戦(翔企画)』
対戦者を失念いたしました。申し訳ありません。

『History of the World(AH)』
5人プレイ之図


 そうこうしている内に、あちこちの卓でゲームが生まれ、そして消えて行く展開に翻弄されまくる管理人であるが、私の真後ろの卓では、なにやら世界地図らしきカラフルなマップが……Middle-Earth東京支部・支部長の栗山さんらによる『History of the World(AH)』のプレイである。無名戦士の側からは、これまたヒストリカル・キャンペーン・マルチ大好き人間の山岸さんが参戦。プレイ内容のド派手さもさることながら、プレイヤー各々にダイス用の「どんぶり」が支給されているあたり、これまた業の深さを感じまくらずにいられなかった(失礼!)。それにしても、どんぶりに炸裂するダイスの音と、山岸さんの絶叫には、「ちょっとちょっと!困りますよ、施設内でチンチロリンをされてはっ!」と、いつ職員が踏み込んでくるのか冷や冷やだったが、プレイ自体は非常に盛り上がっていた様子。こういうゲームもプレイできたりするんだから、本当に大人数のあつまりはすばらしい。今日の合同開催には、心の底より感謝である。


『Squrd Reader(AH)』 シナリオ2 トラクター工場
ドイツ軍新井さん、赤軍丸山さん


 今回の例会では、戦術級ゲームも活発にプレイされていた。上の写真は丸山さんと新井さんによるSqurdReader・シナリオ2だが、他にも、シナリオ1や、装甲擲弾兵(EP)などがプレイされていた模様。特に、装甲擲弾兵については、久野さんの「記憶呼び起こし」プレイとのことで、遠田さんが対戦していた様子。死ななくてもいい若者が、多数生け贄に捧げられていたとのこと。以下、新井さんからのプレイメモの引用


 2月11日はSquad Leaderの相手をしていただきありがとうございました。恐らく10年ぶり位のプレイでしたがプレイを進めるうちに感触を思い出してきたので楽しめました。
 この後の丸山さんとのシナリオ2もそうでしたがとにかくサイの目が全く安定せずに苦労したのと常にフルスタックで配置したのも一考の余地有りと後で思いました。シナリオ2の結果ですがソ連軍の丸山さんも久しぶりだったためか最終ターンドイツ軍の突撃期でちょうど勝利条件ヘクスを確保するといういかにもゲーム的な結末になりましたが一進一退の好ゲームでした。


Thirty Years War(GMT)
新教側は先生、旧教側は私である


 さて、The Korean Warも終わり、全体的にも落ち着いてきた様子なので、私的には本日のメイン、Thirty Years War(GMT)をプレイ。昨年末に発売された本ゲームに関しては、一応、私がルール本体の翻訳をすると言うことでクロノノーツさんとお約束しており、これに先立つ、先生(旧教)と神村君(新教)のテストプレイでいろいろと不明点が検出されたのを受けての、キャンペーン・プレイ。ゲームそのもののレビューについては、後日、別ページにアップする予定として、ここではおおざっぱなプレイの流れを説明。
 まず、旧教側と しては、帝都ウィーン近辺にてうるさく動き回るハンガリーのガボール軍を片づけることが先決だが、これを討伐に出た帝国軍は、戦闘に勝利するものの、ガボールを捕らえきれず、そうこうしている間に、マンスフェルト軍が活発な動きでザクセンを粉砕する。これに業を煮やした旧教側は、まずはオランダにて攻勢を強め、スピノーラをオランダにリコールするや、ベルゲン・ブレダと次々に包囲。これに対してデンマークのクリスチャン4世を急行させる新教陣営だが、一歩及ばず(後日、ルールミス判明)。コルドバも登場し、下ファルツ〜スペイン領ネーデルラントでの勢力再建は不可能と判断した新教側は、マンスフェルトとパッペンハイムを交互に動かして、バイエルンを翻弄。オーストリアは、ガボールに邪魔されて帝都を空けることが出来ず、徐々に包囲網が狭まる苦しすぎる展開。VPでも押しまくられているので、6ターンを終えてもまだEarly War段階が続いているという困った展開(ここでAPに関するルールミスが判明)。こうした旧教側の劣勢の根本原因は、肝心のティリーやワレンシュタインが、戦闘で一度も勝利できないことによるわけで(なぜは戦闘ではダイス目1と2を連発)、遂にピッコロミニが戦死するに及んで、帝都ウィーンが陥落!この現実から目を背けたい管理人は、嬉々として進軍ラッパを吹き鳴らす先生を横目に、DTPゲームのユニット自作に励みまくる……


Thirty Years Warの脇で、フキサチーフが乾くのを待つ自作ユニットたち
管理人が待ち時間に作成していたのは『Freikorps(MDG)』のユニット
そんなことしてるから負けてしまったのか

 帝都を明け渡して敗色濃厚の旧教陣営だが、バイエルン方面では強固な布陣を敷いて、将来のハザードに備えている。あと1ターン、無事に過ごすことができれば、かなり強力な軍を再建することが可能なのだが、それを察した先生は、ここでマンスフェルトによる大遠征を敢行!これをどうにか撃退した旧教側であるが、ワレンシュタインの影響力が危険水域に達しつつあり、泣く泣くこれを解任。そんなタイミングを見計らうかのように、グスタフ・アドルフのスウェーデン軍が上陸して、南ドイツへの怒濤の進撃。これを一軍と呼ぶには寂しすぎる手勢で迎え撃つティリーは敢えなく撃破され、ミュンヘンまでの電車道が開通したことで、私の士気崩壊。投了と相成った。

まったくもって見せ場を作れずに終わった私に追い打ちをかける先生の言葉、

「いやぁ、部長(高校の部活の関係)!一度も脅威を感じなかったよ!」

 ちょうどこの頃、Successors(AH)を投了した神村君・ZEN君・また君らも観戦する中での、寂しすぎる結末となったが、とりあえずZEN君にFreikorpsのユニット切りを押しつけることができたので、私は満足。Successorsでは、アレクサンドロス大王の遺体をケライナイ(小アジア)まで持ち帰った神村陣営に対して、のこる3者が連合して、ヘレスポントス海峡前に布陣するという、ハルマゲドン的状況で時間切れとなった模様。プレイヤーの長考が多かったこともあって、かなり時間がかかっていたようだ。


関ヶ原(EP/サンセット)
西軍・紫藤さん(Middle-Earth) 東軍(片山さん・金井さん)

紫藤さんが、「関ヶ原」の対戦者を募っていたのを聞きつけた片山・金井さん組が、La Bataille De Preussisch-Eylauに一段落つけたこともあり、3人で対戦。このゲームについては、まったく見識がない私なので、ここも金井さんの丁寧なリポートを引用。


 バタイユの進みが遅く、移動を行っていないプレイヤーは手持ち無沙汰で、2面打ちをしようかと相談していたところ、関ヶ原の対戦募集との声を聞いて、平行してプレイすることになりました。紫藤さんはかなり丁寧な方で、また関ヶ原もやりこんでおられるようで、こんな形ではかなり失礼だったのではと反省してます。展開としては、史実どおり?東軍先鋒集団のちぐはぐさ(黒田隊の遊兵化、2分行軍のまま城へ接触など)により岐阜城の攻略に手間取って、宇喜多隊と大垣の部隊の合流を妨げるため、あわてて大垣西方に進出しましたが、逆に退路を断たれ、野戦で壊滅的な大敗を喫してしまいました。結城秀康の裏切りに動揺して、またも戦力分散の愚を犯した(池田隊を東方に派遣した)のが致命的だったようです。
 大敗しましたが、やはり他流試合というのは新鮮で、いろいろ勉強させていただきました。関ヶ原はもっとやりこんでみたいゲームの一つとなりそうです。


 「結城秀康が裏切ったぁぁ!」などという激廃な悲鳴が聞こえていたように記憶しているが、それにしても充実したプレイがされていた様子。
 さて、Thirty Years Warが佳境に突入しつつある卓の脇では、久野さんが栗原さんに対してなにやら怪しいゲームをインストしており、このサポートに遠田さんがからむ展開は、ウィーン陥落寸前という状況にあっても、興味を引かないはずもない。そのゲームとは……


『Leningrad(SPI)』
久野さん(ドイツ軍) 栗原さん(赤軍)

 今をさかのぼること10数年前、私は久野さんの手引きによってSLGの世界に引き込まれたとも言える。当時、SLGに興味を持ち始めていた私は、足利SLG研なるサークルが存在していることをTAC誌によって知り、それ以来、毎週のように例会に参加させていただくようになったのだ。その時、素人ゲーマーに、この趣味の奥深さを、それこそ丁寧に教えてくださったのが久野さんや丸山さん、そして山岸さんである。丸山さんからは、どんな時でも冷静さを失わないことの大切さを。山岸さんからは、どんな時で腹の底から大声で、楽しくゲームをやることのすばらしさを。そして久野さんからは、新作ゲームを購入し続けることの業の深さを学んだと言える。例会の度に、久野さんは

「宮永君、宮永君、今度はこんなのが届いたよ」

 といって、新作の封を切り、そのコンポーネントを披露しては、「今度やりましょう」という定型句と共に、しまい込んでいたのを、まるで昨日のことのように覚えている。ある時には、CoAのEdelweissを開けて、そのビックコンポーネントをひとしきり堪能した後で、

「ううむ、できん」

 それ以来拝見しなくなったことがある。また、いまや伝説のポンチ・ビックゲーム『Campaign for North Africa(SPI)』が、いかにイカレたゲームで、見たこともないようなルールが満載されているのかを、例会後のマックにて延々聞かされたものだが、遂に肝心の本体を拝見することはできなかった。久野さん本人もどこにあるのか分からなくなったとのことであった。
 
そんな久野さんのことだから、私が知らないゲームをインストしているのかと勘違いし、上の写真の状況を見て、思わず

「44年、北方軍集団の新作ですか?」

 と、聞いてしまったのはご愛敬。Basic 3(HJ)にも所収されている、SPIのLeningradであることを知ったのは、遠田さんのツッコミがあったからである。それからしばらくして、グスタフ・アドルフにティリーが撃破され、絶望の淵にたたずんでいた私に対して、遠田さんが経過報告

「宮永君、大変だ!5ターンにして、遂にリガが落ちた(笑)」

 この頃には、古角さんはじめ、遠方より来てくださった方も皆さん帰途につき、別れを惜しみつつの散会となった。こんな場にてのお礼となりますが、本当にありがとうございました。

 次回、例会開催は3月9日です。




100MB無料ホームページ可愛いサーバロリポップClick Here!