第7回例会

 参加人数は延べ12人。高崎方面からの参加者は金井さんだけだったが、いろいろと野心的なプレイが展開されていた。把握している限りをここに報告させていただく。


 なんと、片道三時間の道中ながら、開場前の9時に到着していた入江さんが、遠田さんと『Stalingrad Pocket(The Gamers/国通)』をプレイ。かつて4人プレイで枢軸軍左翼を指揮し、無惨な敗北を喫したトラウマ増幅ゲームではあるが、入江さん的には、「冬の嵐」に登場する独軍が強力だったという、まったく別の印象を持っておられたので、防御巧者の遠田さんとの対戦は、非常に楽しみである。


セットアップ終了之図
消耗型のCRTなので、序盤、逃げ遅れた枢軸軍は除去ユニットの山を築く


 さて、ここを「覗き」に来ていただいているような猛者の皆さまに、いまさらウラヌス作戦の顛末をツラツラ述べるのも釈迦に説法なので、おおまかな展開だけ。堰を切った奔流のような赤軍の突進を、得意の遅滞戦術でかわしつつ、左翼の枢軸軍は、チル河を目指して撤退。しかし、損害型のCRTの前に、いつの間にか山のような除去ユニットを出すに至り、遠田氏は作戦変更。少ない機動部隊を集中運用して、前線から取り残されつつある赤軍司令部のスナイプを狙う。司令部に接敵できるチャンスがあれば、どれほど分が悪くとも突進してくるという枢軸軍の作戦変更に対応しきれなかった赤軍右翼は、第21軍、第5戦車軍の司令部を蹂躙され、進撃が止まる。右翼側でも健闘していた枢軸軍であったが、初期の損失が大きすぎたのを受けて投了。実質5時間ほどのプレイであったが、前回の「ミシシッピ・バンザイ」同様、軽い酸欠感に陶酔できる好対戦となっていた模様。


5ターン、片端から司令部をスナイプされ、進撃が止まった赤軍右翼


 別の卓では、金井さんとマタベエ君で、『Hundred Days Battles(AH)』が対戦されていた。ナポレオニックに疎い私としては、初めて見るゲームだったので、金井さんの報告を引用。マタベエ君がフランス軍、金井さんがイギリス・プロイセン軍


左右の表が、部隊編成表


 ルールがあやふやな状態で始めて、いきなりプロシアが崩壊。スタックのルールが完全に抜けていたので、再プレイ。プロシア軍を下げたところ、ブリュッセルへの道が大空きになってしまい、大した戦闘もなくフランス軍の突破が確定。あやふやなルール説明でもあり、チュートリアルにも何にもなってなかったかも。


 初プレイのルールが(しかもHJ謹製ルールならばなおさら)あやふやなのは、この世界のお約束なので、これはゲーマー永遠の課題。TRPG経験は豊富ながら、本格的SLGは、これが事実上の初デビュー。こちらのゲームが比較的早く終了したので、ちょうど到着したばかりの中野さんがヤフオクで落札したばかりの「NAPOLEON(AH)」を、3人でプレイ。
 いわゆる「積み木のナポレオン」と呼ばれるところの、ワーテルロー戦役を扱った往年の名作で、テーマは異なるが、以前プレイした「積み木の東部戦線」がむちゃくちゃ面白かった私も興味津々。中野さん、金井さん、マタベエ君の対戦の模様は、これも金井さんの報告から。フランス軍は中野さん、イギリス軍は金井さん、プロイセン軍はマタベエ君である。


 あまり前方には配置しない方がいい、というアドバイスと、初期配置の制限により、連合軍は盤の北端に分散して配置。3カ所ある補給拠点のうち、盤の北東端リエージュはプロシア軍、盤北端のやや西よりのブリュッセルと、北西端ガンはイギリス軍が守備。フランス軍は盤南西部に集中配置し、ガンに向けて殺到。イギリスは妨害を試みるも、ガン自体には全く配置していなかったためもあり、あっさり占領され、以後毎ターン、イギリス軍は補給切れで1ユニット失われていく。一応イギリス軍は、プロシア軍との共通補給都市のブリュッセルに集結するが、プロシア軍が早期に終結するのは困難なため、戦うことなく消滅。フランス軍の勝利条件は、連合軍両軍の撃破であり、プロシア軍としては多少消耗しているとは言え、ユニットの失われていないフランス軍の撃破は困難。あとはブリュッセルに送った部隊を逃がして、戦闘回避する手だが、はたしてどうか、というところで、暇になった私は抜けてしまいました。またまたあまり良い指南役にはなれなかった気がします。ゼンニョさんと次のゲームを始めてしまったので、詳細はわかりませんが、フランス軍がプロシア軍を捕捉して勝利したようです。


 ここからは、中野さんからの報告


 先ず1戦目。金井さんのレポート通りの展開で、イギリス軍がほとんど戦わずに中盤で崩壊。確か会戦が2回しか起こらなかったのでは。この時点でフランス軍は多少の損害はあるものの、駒の損失は無し。しかしプロシア軍と全く戦闘していないので、そちらは全くの無傷である。ここで金井さんとマタベエ氏が何やら相談を始める。そして・・・「あと*ターンあるから連合軍ターンが*回で、ユニットの損耗が*個で、過半数には達しないね。ということで逃げます!」まさかの逃亡宣言と共にブリュッセルを放棄して、リエージュに向かってプロシア軍が移動開始。盤上で東端のリエージュに対して、西端にあるガンに主力を置いていたフランス軍は慌ててそれを追いかける。最終ターンまでに一度でも補足して会戦を仕掛けられないとフランスの負けは確実なので、強行軍の連続。戦力が減る減る。しかし、その甲斐あって最後のフランス軍ターンに、リエージュの手前でプロシア軍を補足、これを撃破してフランス軍の勝利となりました。フランス軍の駒損失が0個という事実が、如何に戦闘が激しくなかったかを物語っている?


 続いて、「Stalingrad Pocket」を投了した2人と、中野さんで「積み木のナポレオン」を再戦。イギリス軍が遠田さん、プロイセン軍が入江さん、中野さんが皇帝陛下である


なぜか縦隊を組むフランス軍(笑)
コマの鶴翼配置で無理矢理包囲を演出する連合軍(哀)


ここでも、中野さんからの報告があるので、それを引用。


 2戦目はスターリングラード終了後の遠田さん、入江さんと中野の3人で実施。遠田さんがプロシア軍、入江さんがイギリス軍、そして中野が再びフランス軍である。連合軍の初期配置を見て驚く。1戦目と異なりかなりの前進守備で、フランス国境のすぐ目の前にいる駒もある。計算が狂って動揺した中野はフランス軍のセットアップを失敗して、初期の移動で部隊を集中できずに苦労する。何とか戦えるグループを1つ作ってブリュッセルへ向かう街道を北上するが、1戦目とは違い好戦的なプロシア軍とキャトルブラ近傍で戦闘になる。駒数の面では互角だったので、あとはサイコロ勝負!ところが両軍ともショボイ目しか出ず、なかなか戦局が動かない。しかし途中で遠田さんが旅順戦線の視察に行ったフランス軍戦闘ターンに、一挙にプロシア軍3駒が消滅し、最終的にプロシア軍の敗走となった。この時点でイギリス軍は部隊の集結ができておらず、フランス軍は行く手を阻む小部隊を蹴散らしながらブリュッセルへ進撃、これをあっさりと占領してしまいました(ブリュッセルにフランス全軍18駒の内、16駒が集結した様は壮観でありました)。結局、ガンの手前まで逃げていたイギリス&プロシア連合軍の小部隊を撃破したところで、両軍が崩壊し投了。またしてもフランス軍は損失0で勝ってしまいました。全員が初めてやるゲームだったので手探り状態でしたが、ルールが至極簡単ですぐ覚えられるのと駒数が少ないので取っつき易いと思います。期待通りの好ゲームでした。


 また、別卓では、今回初参加の田中さんが、先生を相手に「Patton's 3rd Army(SPI/HJ)」をチュートリアル。しかし先生、どうしても抜けられない用事があるとかで、帰られてしまったのが非常に残念。後で知ったことだが、●と一緒にライブに出かけていったとのこと。私と若林君と3人で約束していた高校生クイズの出場をすっぽかし、女と遊びに出かけていたという18の思い出がよみがえるこの展開に悶絶。先生が帰った後で、田中さんと神村君が、今度は「Thirty Years War(GMT)」を対戦。チュートリアル・プレイで終わっていた模様。


今回のコレクション披露
『The Conquerors(SPI)』


 ところで「無名戦士」でも一、二を争うSLGコレクターの中野さんによる、今例会のコレクション披露は、SPIのThe Conquerorsである。第1次マケドニア戦争と、第2次ポエニ戦争をそれぞれ扱う2in1のゲームで、デザイナーはリチャード・バーグ。これまた「無名戦士」でも屈指のSPIコレクションを誇る久野さんからして、これまで現物を見たことがないというレアゲームであったが、これはつい先日、中野さんがヤフオクで落札したものである。実は私も目を付けていて、5万ばかりの実弾を用意していたのであるが、第1入札者が中野さんであったのに気づき(そもそも知り合ったきっかけがヤフオクでの取引)、涙を飲んで不戦敗をかこった次第である。まあ、中野さんが持っていれば、俺が持っているのも同然などというわけの分からない得心だったのであるが、それはそれ。ぜひとも一度遊んでみたいゲームである。もちろんマケドニア戦争をね。


『日本の進撃(HJ)』
日本第15軍がラーヘン〜コーカレイの山道を開削し、ラングーンをうかがう瞬間
密林の底に英霊の絶叫を聞いた!


 さて、私の方は、かねてより約束していた「日本の進撃」の対戦である。相手は山岸さん(日本軍)。この対戦に備えて、事前に「マレー攻略」シナリオを遠田さんにチュートリアルしていただいたので、日本の猛攻を受ける連合軍の苦しさを知っておいたのが僥倖。勝利条件的にも、極めて一方的な「マレー」に比べれば、空軍が強力な分、まだバリエーションのあるこちらのシナリオの方が、ゲームとしては健全かな?まあ、大東亜モノについては、極めて経験の薄い私の見解なので、その点は寛恕いただきたい。
 展開を大まかに。テナッセリム山脈越えからラングーン攻略に若干時間をかけすぎた日本軍であったが、逆に、ラングーン防衛に固執するイギリス軍の主力を包囲して、一挙にこれを攻略。日本軍の勝利条件は、時間内に沿岸部のラングーンと、内陸部の要衝マンダレーを占領すること。ラングーン失陥で無駄な犠牲を出してしまった上に、空軍基地の移転も遅れた連合軍は、極めて厳しい防勢を強いられるが、きわどいタイミングでステイウェル指揮下の中国軍がマンダレー防衛に間に合った上に、望みを託された挺進第1連隊の空挺降下も失敗し、どうにか連合軍の辛勝となる。後に日本軍の山道構築ルールにミスがあったことと、中国軍の戦略移動を忘れていたことが判明するが、双方に不利なミスだったので、納得できるような結果に落ち着いたことが幸運。航空ルールは上級を用いたのだが、地上戦とは別に、たくさんダイスを振れるのは、なかなか面白い。こうなると『When Tigers Fight(XTR/CMJ』がやりたくなってくるぞ!


ゲーム終了之図
山のような中国兵犠牲の果てに、マンダレーを守りきった(?)英軍


別宅では、遅れて到着したゼンニョ君相手に、金井さんが「信長最大の危機(GJ)」をチュートリアル。詳細については、金井さんの報告を引用します。ゼンニョ君が織田信長、金井さんが反織田陣営である。


 こちらもルールがあやふやな状態ではじめてしまいましたが、なかなかゼンニョさんはなかなか上手に反織田軍を各個撃破してました。最初に六角氏を撃破したのは鋭い。あとは、武田が動く前に、浅井・朝倉を撃破。動きの鈍い三好はほっといて、半端に手を出すとやけどする本願寺勢には手をつけず、とほんとにうまい。信玄もあっさり病死して、謙信が城を落とせずにいるあいだに毛利も押し込んで、織田の勝ちパターンで進んでました。盤端でチュートリアルにはあるまじき最後のあがきをやっている途中で時間切れとなりました。初めてでこれは、かなり上手いと思うのですが、私がヘボなだけ?政治カードの使用制限は「織田方が熟練した場合」の選択ルールだった、とか説明もかなりいい加減。政治カードの内容もわからず、というのは結構きびしかったと思います。でも初期配置時に朝倉ユニットも金ヶ崎に置けたのに置けないものと勘違いしていたり、とかもあったので、ゼンニョさん許してね。


 いろいろな場で、名作ゲームであるとの評を聞くゲームなので、いずれ再販されてくれるだろうか?
 さて、田中さんや山岸さんも帰られたこともあり、残り時間は2時間程度ということで、今後に向けた野心的プレイを決行!同じくあぶれていた神村君を捕まえて、押しつけたゲームは「The Forgotten Axis:The Romanian Campaign(DG[S&T])」。シナリオはJakimivkaとのことだが、ようわからん。


セットアップ之図
テカッているが、これは保護フィルムをかぶせているため


 師団(フォーメイション)毎にチット引きで戦闘・移動を繰り返すゲームなので、なかなかスリリングではあるのだが、境界線の東西に自由配置ということで、セットアップがいささか雑なのが不満の残るところ。ただ困りどころは、河川(Stream)の扱いで、これは追加3MPの上に、攻撃力半減となるのだが、例えば上の写真でソ連軍が依拠している河川など、他の河川とことなり、「異様」に太く描かれていることが、果たして「Stream」であるのか、それとも別ルールを適用すべき「River」なのかという点が、遂に解明できなかったのである。もっとも、Stream以外の河川は、このシリーズには明記されていないので、ただ単にStreamを強調しただけのものなのかも知れないが、どうにも釈然としなかった。まあ、それはそれとしても、ゲームとしても、あまり面白くなかったのが致命傷。もっとも、面白みを理解できるほど深く突っ込んでいない可能性大なので、そのことはあらかじめお断りしておきたい。ここをご覧の方で、別の感想をお持ちの方がいれば、是非ともうかがいたい部分である。
 というわけで、終了となった第7回「無名戦士」例会。次回開催は6月2日(日)と時間が空く上に、ワールドカップじゃん!ということで、集まりに不安があるが、場合によってはモニターを持ち込んででも、ぜひとも成功させたい例会である。その前に、5月中に、どこぞやのサークルへ遠征するもよし。いろいろ企画してみよう




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