第8回例会
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参加人数は延べ12人。高崎方面からの参加者は金井さんだけだったが、いろいろと野心的なプレイが展開されていた。把握している限りをここに報告させていただく。 |
さて、開場の時点では7名のプレイヤーがおり、2/2/3で卓が立つ。まず入江さんと、入江さんのお友達で、今回は越谷からおいでくださった春日さん、それから遠田さんの3人で、「1918:Storm in the West(日本コマンド付録版)」をプレイ。ところが、遠田さん主導でひととおりの説明を終えた後、いざプレイとなった時に、遠田さんがアメリカ軍増援ユニットを忘れてしまったことが判明。あわや中断かと思われたが、入江さんが車を飛ばして、宮永宅へ急行。押入から同ゲームのユニットトレイを引っ張り出して事なきを得たのであるが、これがなんと本家コマンド版ユニットであり、アメリカ軍だけ5/8インチユニットという、なかなかハイブリッドな展開。まあ、アメリカ軍はビッグ編成なんだからいいじゃないかというオチに悶絶のスタート。 |
ドイツ軍は春日さん、イギリス軍が入江さん、フランス軍が遠田さんという布陣。ヴェルダン方面での攻勢をあきらめた春日さんは、アラス北方の英軍正面と、英軍・仏軍の連結点の2方面に主攻軸を定めて、突撃部隊を配置する。しかし、1ターン目の独軍攻勢からして、いきなり4連発で1の目を叩き出すという、あまりにも不運な展開に、独軍は一方的にRP(補充ポイント)をすり減らしてしまい、まともな突破口を開けられないまま消耗戦に引きずり込まれてしまう。 |
宮永・神村組は「Cortes」をプレイ。これはXTRコマンド20号の付録ゲームで、1521年のエルナン・コルテスによるアステカ帝国征服活動の最後を締めくくる、ティノチティトラン攻略戦を扱ったゲームである。私の知る限りでは、これまでプレイはおろか、語られることすら希なアイテムであり、ましてやアステカ帝国の首都がティノチティトランであるということからして、すでにウルトラクイズ決勝問題レベルのどうでもいい知識であり、私立文系・世界史選択、しかも2浪くらいの猛者でもないと、まずは出てこない用語のはずで、30を過ぎてもなおこのあたりの用語がスラスラ出てくるようだと、実生活では非常に困ったことになっているかも知れなかったりして。 |
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まずスペイン軍が所定のヘクスに配置した後で、アステカ軍の自由配置となる。中央のティノチティトランの完全征服がゲーム終了の条件であるが、史実に鑑みても、この島の征服は当然のことであり、この目標をいかにスマートに達成できるかということが、勝敗の基準となる。勝敗判定はスペイン軍が被るLPの多寡によって決まるが、スペイン兵ユニットや砲艦が撃破されれば1LPというのが基本で、17LPに達すると、アステカ軍の勝利となる。 |
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宮永がアステカ軍、神村君がスペイン軍という陣容で臨んだ対戦。実際のゲーム展開は、敵砲艦の威力を過小評価しすぎたアステカ水上部隊が、緒戦で大量撃破されるという愚を犯したものの、敵前上陸を敢行した生き残りの猛攻で、南東岸のスペイン軍部隊が半壊。いよいよ市街戦突入かと言うところで、予定通りの時間切れになってしまったのだが、アステカ軍は初期配置に、スペイン軍は市街戦を経験できなかったことにそれぞれ課題が残ったので、日をおかず対戦することになるだろう。テーマがおおざっぱな割には、実にプレイアブルで、ほほえましいギミックが満載のポンチゲームである。私も神村君も、大いに満足できるゲーム内容であった。 |
今回が初参加となる渕上さん・渡瀬さん組は、『La Bataille de les Quatre Bras(CoA)』をプレイ。英軍が渕上さん、仏軍が渡瀬さんでの対戦。こんなこともあるのかというくらい、仏軍が英軍を押しまくっていた模様。これまで同ゲームを5回ほど対戦したという片山さんをして、「こんなに押された英軍を初めてみた」と唸らせるほど冴えまくった英軍だったようで、渕上さんには次回の雪辱を期待します。ナポレオニックに明るくないのでなんともしまらない報告しかできないのが残念。チトどこから手を付けていいのか分からないのが理由なのだが、いまさらザッカーものに手を出すのもなんなので、まずは「ウーグモン(XTR)」を極めたいところである。 |
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ちょうどこの頃、『Up Front』や『死闘!北方軍集団』などをプレイしていた4名が手すきとなり、『Kings and Things』をプレイされていた様子。 |
独軍・遠田、赤軍・入江という陣容である。ハリコフ北方に主攻軸を置きつつも、戦線全面にかめて飽和攻撃を敢行する赤軍司令部。防御巧者の遠田氏に対しては、下手な突破展開よりも、低比率全面攻勢による部隊のスリつぶしの方が効果あるだろうと踏んでの作戦であろうか。果たして、最初のビッグウェーブをどうにか凌いだ独軍ではあるが、損害こそ許容範囲ながらも、すでに予備部隊を投入して余裕のない独軍は、数少ない増援装甲師団を、一か八かの博打に投じることになる。それは…… |
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独軍は、増援で到着した装甲師団を、いきなり前線に投入し、オーバーランを駆使してソ連軍戦線を切り裂き、背後の軍司令部をスナイプという挙に出る。これによりソ連軍は、攻撃部隊のほとんどが補給切れに追い込まれる。あわや、大崩壊一歩手前にまで追い込まれるソ連軍だが、しかし、充分な予備が枯渇している独軍は、この戦果を拡大することができず、逆に突出した装甲部隊が包囲の危険にさらされるなど、奇妙な膠着状態を見せたまま互いに手詰まりとなり、最終ターンが終了。部隊損害はかなりの水準に達したものの、どうにかハリコフを守りきった独軍が、作戦的勝利をおさめていた。 |
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山岸さんが到着したので、予定通り「Reds!(GMT)」を対戦。発売されて間もないゲームなので、各誌面にてちょっとした紹介はされているが、第1次大戦後のロシア内戦を扱ったゲームとのことで、これも超マイナーテーマである。もちろんロシア革命は、学術的には深く追求されているテーマなので、歴史書は充実しているのだが、軍事面となるとなかなか良い本が見つからない。とりあえず手元にある 『ソヴィエト赤軍興亡史 J』学習研究社、2001年 が役に立ちそうだが、もっと深く勉強してみたい。 |
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さて、肝心のゲームは、ブレスト・リトフスク条約によって、ロシア(ソヴィエト)が単独講和を結んだ後、戦争が終結し、赤色革命の拡大を恐れた連合軍部隊が革命干渉戦争を起こしたところから始まる。マップはバルト諸国〜ポーランドから中央アジアのタシケント周辺までが収められており、赤軍は「東・西・南・北・南西・中央アジア」の6軍管区に分けられており、対する白軍は南ロシア軍(AFSR)・シベリア白軍とチェコ軍団・反共イスラム軍・連合軍介入部隊(AIF)・北西白軍の5勢力に分かたれている。ターンの大まかな手順は、ダイスでイニシャティブを決定した後に、イニシャティブ側はチットを1枚選んで先攻し、残りはランダムチットとなるというもので、軍管区・勢力間の連携は困難となっている。また補給制限も厳しく、補給源までつながる鉄道・河川から1ヘクスまでしか届かない。白軍の各勢力は、自身の補給源しか使用できないので、このルールはさらに厳しくなっている。戦勝に奢って突出すれば、あっというまに補給が途絶するという、ギリギリの戦闘の連続は、あと一歩まで追いつめながら目標を奪取できないもどかしさとなって、赤白双方に凄まじい緊張をもたらすのである。語ればきりがないほど興味深いギミックがぎっしり詰まっており、興味があれば是非ともプレイしていただきたい。さすがテッド・レイサー。 |
また、別卓では「ナポレオン帝国の崩壊(AD)」や「信長最大の危機(GJ)」などがプレイされていましたが、Reds!に熱くなりすぎていて、詳細は失念しました。報告があればアップしますので、よろしくお願いいたします。 |