第11回例会

 参加人数は19人。掲示板を見て参加していただいた大森さんと、渕上君の紹介で参加いただいた高梨さん、それから旧足利シミュ研のOBが大勢いらっしゃったので、この人数と相成った。さすがにこの所帯になると、全ゲームをカバーするのは不可能で、いきおい、自分中心の報告になるのが申し訳ない。ぜひとも、新ゲームなどプレイされた方は、簡単でいいからレポートくださるとありがたいです。


 初参加の大森さんと『Shougun Triumphant(XTR #23)』をプレイ。初参加の人にいきなりコレというのもアレな感じはするが、ほとんど出戻り状態である旨を事前に聞き及んでいたので、変に凝ったものよりはと自分に言い聞かせてのチョイス。というか、先のドイツ旅行での往復機内で、この翻訳をシコシコとあげていたこともあり、ぜひともプレイしたい衝動に駆られまくっていたのである。


 実はこのゲーム、本家コマンドに所収された「関ヶ原の戦い」である。デザイナーはリチャード・バーグで、まだGBoHの怪作『Samurai』を出していなかった頃の、貴重な一品である。ゲーマー想像するところの関が原というと、この戦場にいたるまでの虚虚実実の駆け引きに主眼を置きたくなるものだが、大谷刑部は三成と厚い友情で結ばれていたからどうこうとか、宇喜多中納言は秀吉の娘婿でどうこうとか、毛利は吉川の言いなりで手弁当を食わされていたなんていう、いかにも日本人好みのプロットなど海の向こうで理解されるはずもない。さすが御大、このあたりは、大名活性化後の「裏切り判定」で処理しており、プレイアビリティの維持に役立っている。
 とはいっても、小早川は裏切りやすくて、小西行長は裏切りにくいみたいな大雑把な確立設定ではしょうもないので、たとえば、大谷隊がすでに活性化していれば、小早川を中心とする西軍右翼諸将が裏切りにくくなったり、吉川が東軍側で活性化すれば、毛利本隊も東軍に流れやすくなるといった、各種修正ファクターを加えている。ただし、西軍大名は1〜19、東軍大名はA〜Sというアルファベットで処理されてしまうのは、やむを得ぬとは思いながらも興ざめである。


Shogun Triumphant(XTR#23) セットアップの図


 宮永・西軍、大森さん・東軍である。このゲームは、ターン最初にダイスを振って大きかったほうが先・後攻を選び、ダイスでコマンドポイント(CP)を決定したら、そのCPの数だけ、陣営の大名を活性化あるいは移動させることができるというもの。戦闘はマストアタックで、射撃戦闘と近接戦闘がある。面白いのは、一戦闘に2つ以上の大名の部隊がかかわると、Samrai Mentalチェック(士魂とでもいうのか?)を要求されて、どちらかが傍観したり、両方とも戦闘を放棄したりと、困ったことが起こるというもの。あとは高低差や騎馬突撃なんかの細かいルールがある。それから、各大名ごとに壊走レベルが設定されていて、その大名からこのレベルを超える損害が発生すると、ターンの最後にその大名のユニットが全壊走してしまう。こうして壊走したユニットの結束値総計が160を超えた陣営が敗北する。
 大きな流れとしては、西軍・吉川の寝返りを促すために前進してきた山内一豊を見て逆上した吉川・毛利隊が、山内軍を一蹴して、東軍背後に殺到。しかし、脇坂・小川の裏切りに刺激された小早川が、3ターンにして東軍に寝返り、大谷隊に殺到。大谷隊は、脇坂・小川の排除に力を使い果たし、小早川隊の奔流に飲まれて姿を消す。しかし、堅牢な斜面に陣取る宇喜多中納言にまともにぶつかってしまった金吾は、壊滅寸前の損害を被り、宇喜多の迎撃を受けて壊滅する。西軍の危機は完全に克服された。


ゲーム終了の状況


 西軍は、寝返りの可能性が高い一方で、部隊結束が高いので、一度活性化すると使い勝手のいい大名が多いのに対して、東軍、特に右翼の諸大名は、部隊規模が小さく、活性化の可能性も低めに設定してあるため、連携して攻撃するのが難しい。このあたり、宇喜多や石田、島、小西の鮮烈に対して、ちぐはぐな攻撃しか行えなかった東軍の序盤の特徴が現れている。結局、寝返り諸大名と福島正則が壊走したのに加え、山内をはじめとする後詰の部隊が完全に壊滅した東軍が、どにかサドンデス敗北を回避したものの、西軍も壊走しなかったために、勝利条件上は敗北したという形で決着した。ランダム性が強いことから、トンデモな展開を予想していたが、意外なほどまともなプレイになったのは感心。士魂表がどうかな?という場面もあったが、ゲーム全体では微々たる影響である。2時間半で終了したのも手軽でよい。


 別卓では、金井さんと渕上君が『La Bataille d'Espagnol-Taravera(CoA)』を対戦。丁寧な報告を金井さんからいただきました。


 9月23日 La Bataille d'Espagnol-Taravera  フランス軍を背景にスペインの王位に就いたナポレオンの兄ジョゼフの軍と、イギリス・スペイン連合軍とが、1809年7月下旬、マドリッド近郊タラヴェラで戦いました。イギリス軍は後にウエリントン公となるウエルズリー将軍が率いていました。史実では消耗戦の末、ジョゼフ王が退却を選択し、イギリス軍の勝利に終わっています。



フランス軍:渕上さん イギリス・スペイン軍:金井

 南北に長いマップのほぼ南端がタラヴェラの町で、初期配置では、町の前面からマップ中央にかけてスペイン軍がバラバラと散らばっています。マップの北西部分ではイギリス軍とフランス第1軍団が相対しています。また、北東部のマップ端近くにフランス第4軍団とジョゼフ王親衛隊1個師団相当が配置されています。 
 バタイユ3版でのプレイは2、3年ぶりだったのですが、のっけから砲兵3個中隊のスタック2つによる集中砲撃に驚かされました。遠距離でも54火力で、指揮は第1軍団長ヴィクトール元帥本人。前面に展開するイギリス軍は5ターン連続で叩かれます。 また、3版では移動時にストップウォッチを使うよう規定されています。移動セグメントを10分以内に終えなければならないのですが、そのとおり真面目にやったのは初めてでした。
 展開は、仏第4軍団がスペイン軍に突進。スペイン軍(8個師団)は仏軍が4ヘクス以内に入る(師団単位)か、1時間(3ターン)につき1個師団のみのサイコロ判定に成功しないかぎり移動禁止なのですが、最初の判定は無情にも失敗。第4軍団はスペイン軍に挟まれる形になろうがかまわず街道沿いに進撃して、オリーブ林にこもっているスペイン軍とまず射撃戦。互いに損害は出なかったのですが、ふつう損害が出たとき行う士気チェックをスペイン軍は撃たれただけで行わなければなりません。しかも士気は最低クラス。最初のユニットは何とか耐えたため、フランス軍連隊一個(3個大隊スタック)による白兵戦を受けました。結果はいきなり降伏。しかし戦闘後前進で林のなかに突っ込んだためオーバースタックでフランス軍も混乱するというおまけつき。
 ただ、その後は射撃戦でスペイン軍が混乱、回復チェックに失敗して壊走というパターンで順調にフランス軍はタラヴェラに肉薄します。スペイン騎兵は一応突撃しますが、フランス軍も騎兵で対応するため歩兵の足を止めることはできませんでした。
 一方そのころ仏第1軍団はというと、相変わらずの砲撃のほかは散兵が出てくるだけで縦隊突撃はおこないません。フランス軍の勝利条件は、タラヴェラを占領とその先への1個軍団の盤外突破、またはイギリス軍の撃破ですが、今回の方針は占領&盤外突破だったようです。
 スペイン軍は処置なしなので、イギリス軍でがんばるしかないのですが、これも射撃戦を得意とし大隊毎の兵力は低く足も遅いので、自分から攻撃するのはつらい。集中砲撃に驚いた余波もあって、小競り合いにつきあってしまいました。イギリスの大隊に付属する軽中隊がプチプチっと砲撃や散兵の射撃により除去されていきますが、お返しの逆襲では散兵大隊1個を除去するのがせいぜいでした。こちらでも騎兵を突撃させてみますが、やはり騎兵で相殺されて何の効果もあがりません。
 そうこうするうちに6ターン(1ターンは20分)ほど過ぎて、師団長1名の負傷などもありましたがタラヴェラにフランス第4軍団が進入。町近くのスペイン騎兵がやっと目を覚ましますが、騎兵では町で戦えません。フランス軍が前進したため、回復チェックができなくなり(敵から15ヘクス以上離れる必要あり)街道沿いにはスペイン軍の壊走ユニットがぞろぞろと並びます。 
 これはもう半分やけくそでイギリス軍を第1軍団に突っ込ませるか、遅まきながらタラヴェラ−オロペサ街道を守りに入るか、というあたりで、8ターン(11:40〜2:00)プレイしたところで現実では6時となりお開きとしました。ほぼゲーム開始ターンと同じ11時半くらいから始めてますから、このシリーズではいつものことですが、現実時間の方が倍以上経っちゃいますね^^  
 勝敗は圧勝レベル(盤外突破)はともかく、勝利(タラヴェラ占領)はまず動かない状態だったので、まずフランス軍の勝利というところです。連合軍側はがんばっても第1軍団を撃破できればいいところで、フランス軍の両軍団の士気レベルを下げないと勝利段階は得られないので、勝利条件ではもう挽回不可能という状態でした。


 今回はかなりのナポレオニック集会。初参加の高梨さんと、前々回に渕上君と一緒に、今回で2回目の参加となる渡瀬君は、『Bonaparte in Italy(OsG)』を対戦。一日がかりの対戦だったようですが、詳細は渡瀬君からいただきました。以下、対戦レポートです。感謝。


 『Bonaparte in Italy(OSG)』はおなじみザッカーのCoNシリーズの一つです。今回はキャンペーンで行けるところまでやってみる、と言うことでスタートしました。

フランス軍:高梨 オーストリア軍:渡瀬


Bonaparte in Italy(OsG)


 フランス軍に比べ大兵力を擁するオーストリア軍は、山からおりて包囲中のマントヴァ要塞の開放を目指します。初期配置で左翼、中央、右翼とあり、内、中央と右翼に主力がおり、オーストリア軍はまず中央から圧力をかけ、後に右翼の兵力を中央に合流させ、先のマントヴァ要塞を狙う、という作戦を立てます。
 1ターン目、中央の突出している部隊をセボッテンドルフが攻撃しますが、マッセナの来援により戦闘比率を下げられ、ダイス目は最悪の6。いち早い突破のため反復戦闘を選んでいたため大打撃を被ります。中央の進撃は一旦諦め、今度は右翼が前進しますが、今度はそこで待ちかまえていたのはナポレオン。簡単に撃退され、オーストリア軍主力はまた山地へ押し戻されます。
 その後、体制を整えたフランス軍は、中央にナポレオン、マッセナを配置します。平野に出てきたオーストリア軍をどちらかで拘束し、強行軍を使い有利な戦闘比率で叩く、というオーストリア軍にとっては悪夢のような状況になり、16ターン目、とうとうダヴィドヴィッチがマッセナの追撃により捕虜になると言う事態が発生。この時、実は中央に戦力が殆ど無く、このまま突っ切られると策源、また補給源が危ういという危機的状況だったのですが、フランス軍は深追いをせず。オーストリア軍は特別行軍で左右から戦力を引き抜いて何とか中央の守りを固めますが、いくつかの師団が壊滅させられたため、まとまった戦力で攻勢をかけるということが厳しくなってしまいました(一つの戦闘ユニットに持たせることの出来る戦力には限界があるため、戦闘ユニットが壊滅すると補充が来ても高い戦闘力を持ちづらい)。
 その後、山地での押し合いへし合いが続きますが、フランス軍の防御戦を突破出来ず、34ターン経過した時点で終了となりました。
 フランス軍の主力であるマッセナ、ナポレオンは統率力が5あり、それに対するオーストリア軍の司令官は殆ど2。これで戦闘のする、しない、追撃など選択権は殆どフランス軍にあり、オーストリア軍はそれに翻弄され続けた感があります。オーストリア軍は攻勢ルート、哨兵などを慎重に考え、上手く使用しなければならないでしょう。


 中央卓では、『Empires of the Middle Ages 帝国の興亡』の5人対戦。シナリオは「中世の黄昏」善如時(イギリス)・神村(トルコ)・先生(ドイツ)・またべい(アラゴン)・加藤君(フランス)である。早々にペストが襲ってきて、かなり混乱していたようだが、それが幸いして内政に専念できたドイツが僅差で勝利していた模様。加藤君は今回が初参加。善如寺君のお友達です。


 続いて、同じ卓では、『ガンダム戦史(ツクダ)』の6人プレイが行われていた。このうち、神村・善如時・先生・栗原さんは経験者。加藤君とまたべいは初めてなので、地上・サラ地・一年戦争+カスタム機という設定での、バトルロイヤルである。例によって詳細は不明だが、キャノン砲の誘爆で半身不随になった善如寺君のガンキャノンが、左手パンチで誰かのドズル専用ザクを追い詰めていた模様。


 入江さんと遠田さんは、『Ukraine'43(GMT)』を対戦。入江さん(枢軸軍)・遠田さん(ソ連軍)という陣容である。前回、私の赤軍は不徹底な突破口を片端から装甲軍団スタックに叩き潰されてのサドンデス負けであったが、今回は、3ターンでハリコフ、タガンロク、ビエルゴロド落としたソ連軍が、さらに攻勢を強めてドイツ軍戦線に大穴をこじ開け、マンシュタインをも蹂躙。ポルタヴァまで陥落させて、7ターンでサドンデスしていた模様。う〜〜ん、スサマジイ。ゲーム終了の午後6時には、二人とも脳味噌が沸騰して廃人同然になっていた。


Ukraine'43 ゲーム終了直前


 この間に、寝不足が続いていた私はちょいと昼寝をした後で、大森さんと「日露戦争(エポック)」を対戦。エポック版を使用しました。私がロシア軍で、大森さんが日本軍です。大森さんはこのゲーム初めてとのことで、いまひとつ勘所がつかめないでいたようでしたが、5ターンに旅順艦隊が壊滅。明石大佐の破壊工作も成功しまくっていて、非常に厳しい防衛線を強いられるロシア軍。しかし、消耗した戦列を立て直すために、まるまる7〜8ターンを休養にあてた日本軍の隙を活かして戦線を再構築したロシア軍が、どうにか逃げ切ったという状況。


 やたらと奇声があがりまくっていた異次元卓では、山岸さんと細井さんが「BIG野(HJ)」を対戦。データはなぜか91年度版(!?)。というか、とっくに新製品が出なくなっているシリーズなので、まあ仕方がないのだが、野茂やら伊良部やら若菜やら阿波野やら渡辺久やら石毛やら中畑やらがキラキラ輝いているのがちょっぴり切ない。


………


 比較的シンプルな対戦の連続で、時間は空いたがエナジーは切れた私は、先生−栗原さん、善如寺−神村の『Shogun Triumphant』対戦をコーディネート。いや、せっかくロンドン行きの飛行機の中で翻訳したんだから、目いっぱいプレイしておきたいわけで……。
 善如寺・神村対戦は、西軍諸将が寝返らずにがんばってくれたので、がっぷり四つの対戦となっていたが(時間切れ)、先生・栗原さんの対戦は、小早川・朽木・脇坂・毛利・吉川・長束が2ターンにして軒並み寝返ってしまい、ほとんど何もしていないのにサドンデス負け。こういうこと(!?)もあります。
 今回は盛況でした。この人数になると、全体が把握できなくなってきますが、私としてはうれしい悲鳴です。




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