第13回例会
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雨がふりそぼる寒い日曜日であったが、参加人数は12名。人数の割にはプレイされていたゲームが多く、全体把握は非常に困難であった。うれしい悲鳴である。 今回は、 1)Prussia's Glory(GMT)集中プレイ 「砲兵は戦場の女神か」 2)無名戦士のボブ・サップ「善如寺K1」のCampaign for Guadalcanal講座 〜俺様のレキシントンで、お前のネズミをヒィヒィ言わせたる〜 という企画を事前に立ち上げておいたのだが、果たしてプログリには8名が参加し、午前中から同時に4卓立つという超豪華集中プレイとなった。 (1) ツォルンドルフ・バトルシナリオ 片山:ロシア軍 先生:プロイセン軍 第1卓は、Pre-WW1のエキスパート、片山さんによる先生再教育プログラムである。ここでも攻撃的な先生はプロイセン選択でわがままを炸裂させたのか!と思いきや、そのあたりはなにかしらの配慮もあったようで、詳細は片山さんからの以下のレポートで。 |
プレー開始 プロイセンの栄光4面対決の1つとして、先生が率いるプロイセン軍と戦うこととなった。先生は初めてこのゲームをプレイするようで、比較的バランスのとれている当シナリオのバトルシナリオ(配置が決まっているのでスムーズに開始できる)に決定した。私はこのシナリオを一度プロイセン軍でプレイしたことがあり、ロシア軍をやってみたかったのと、先生が攻撃的な性格ということもあり、この陣営で初めさせていただいた。 |
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お互い、砲兵の戦線のため正面での攻勢を諦め、騎兵の大損耗(ロシア軍の騎兵は全軍かき集めても3〜5ステップ程度しかのこっていなかった)のため9ターン終了により終了となった。終了時の士気は、プロシア軍9〜10、ロシア軍15〜17程度だったと思う。勝利条件的を見るとロシア軍の最低限勝利となる。
とは言っても、初プレイ(おまけにルールも読まれていないようでしたのでチュートリアルに近い状態)でここまで健闘された先生は賞賛に値する。 |
非常に丁寧なレポートをいただきまして、大変感謝しております。先生からの後日談ですが、「宮永との馴れ合いプレイじゃなく、初めて対戦する方だったので、恥を掻きたくない一心で慎重にプレイした。このホビーの奥深さを初めて思い知らされた」とのこと。普段は、彼のヤンチャなプレイを笑って許す私ですが、今回はそうもいかず、かなり緊張したみたいです。 (2) ツォルンドルフ・バトルシナリオ 宮永:ロシア軍 大森:プロイセン軍 第2卓は、私と大森さんの対戦。私はルール確認プレイをしたことがあるだけで、ほとんど初対戦同様。大森さんも、出戻り復帰3ヶ月で初プレイ。当然、荒れまくる予感満点だったわけだが、どうしてそうして。非常にスリリングな対戦となった。 |
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(終盤)ザイドリッツの誘引を図ったコサック騎兵隊だが、指揮系統の不良でまごまごしているうちに、ザイドリッツに蹂躙されて、わずか2ターンで壊滅。特別ルールで、コサック騎兵はスタック制限を非常に厳しく制限されているので、ザイドリッツの超優秀な騎兵部隊にはまったく抗すべくもないことが判明。機動兵力を完全に喪失したロシア軍は、砲列の後ろに部隊を下げる。プロイセンもこれを押し切る兵力はなく、中央でにらみ合いが続いたまま、不毛な砲撃の応酬が続くが、ここでも宮○ダイスが炸裂しまくり、プロイセン軍は4ステップを喪失。これが勝敗の決め手となり、ロシア軍の限定的勝利となった。 (3) ロイテン・バトルシナリオ 中野:プロイセン軍 山岸:オーストリア軍 ロイテンの戦いのヒストリカルノートは、いずれ掲載されるであろうGame Journal誌のフリードリヒ大王関連記事におまかせするとして、こちらでは、それぞれ初対戦となる中野さんと山岸さんの対戦。私自身がこのあたりの展開に明るくないので、展開はまったくわからなかったが、それでも「フリードリヒ大王戦死」という、あまりといえばあまりな一報は飛び込んできた。大王を殺した中野さんであるが、昨夜の忘年会が祟ったか!? |
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(4) ロイテン・バトルシナリオ 神村:プロイセン軍 金井:オーストリア軍 こちらも第1卓に続き、Pre-WW1の刺客・金井さんによる初心者教育プレイ。金井さんは、このゲームを複数回プレイしているとのことで、他の卓からの質問攻めにも快く応じていただきました。では、金井さんからのレポートを。 |
プロシアの栄光4面プレイの一角として、ロイテンのバトルシナリオをプレイ。1ターン目、プロイセン軍は西方に広がっていた騎兵もSagschutz西の森の後方に集結してボール玉のような陣形になった。森にいたオーストリア軍左翼のババリア・ヴュルテンブルク兵はもとより士気値3で耐えられるはずもなく壊走。しかしプロイセン軍も近接戦闘前の砲撃で3*の損害を受けており、やはりこのゲームの隣接砲撃は恐ろしい。 |
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最終の5ターン目、互いに余力がなくなっていたのは他のテーブルと同じだと思う。互いに混乱・壊走ユニットだらけのなか、さらに殴り合うが、回復判定で差が出て、プロイセン軍はかなりのユニットが回復したが、オーストリア軍はサイコロを振るだけ無駄なユニットがごろごろしている。最終的にプロイセンの軍士気は8。士気阻喪判定まで2ユニット届かなかった。オーストリアは−6でなんとか士気崩壊には至らず。勝利得点は+7で、プロイセン軍最低限勝利となった。あそこでああしていればとか、サイの目がこうだったらと思うのはきっとお互い様で、いい勝負だったと思う。 |
七年戦争があちらこちらで黙示録的状況を現出している間に、別卓では善如寺君による『Campaign for Guadalcanal』講座が開かれていた。このゲームは、国際通信社の自作ゲーム支援企画として出されたもので、SLG初心者の善如寺君が初めて購入したゲームでもある。しかし、いままでプレイしたゲームとはかなり毛色が違っていて、ルールの読解に苦戦していたので、例会数日前に私がチュートリアルしておいたのである。非常に手軽ながら、機動艦隊を中心とするやりとりがスリリングで、大変気に入ったとのことで、ぜひ無名戦士にもこのゲームを布教したいという、善如寺君の希望で立ち上がった企画である。 |
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私は他のゲームにかかりきりだったので詳細は分からなかったが、
は、ともに善如寺君が勝利して面目を果たしていた模様。
では、善如寺君がルールサポートに回る。当会屈指の長考プレイヤーの激突ということもあって、2時間を越える熱戦となり、ついに決着がつかなかった。横目で見る限り、最終ターンになっても日本海軍の空母が無傷という、南雲に爪の垢を煎じて飲ませたくなるような奇跡的運用術を駆使していた神村君だったが、艦載機が消耗しきって0ユニットというオチに泣けた。機動艦隊と水上艦隊が激突した場合の処理が分からないという意見があったが、さて、どこかにエラッタ・Q&Aがあったかな? |
午後から参加の遠田さんは、これまたいつものように「BIG野球(89年度版)」だけを携えて遊びに来ていた細○さんをつかまえて、『Sink the Bismark!:戦艦ビスマルクを撃沈せよ!(国通)』をプレイ。細○さんがドイツ海軍、遠田さんが連合軍である。 |
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ゲームは中盤、イギリス海軍の重巡ノフォークとサフォークがビスマルクを発見するも、返り討ちにあって2隻とも撃沈。続いて、ビクトリアスから発艦したグラディエーター(?)が、見事プリンツ・オイゲンに魚雷を命中させて3ポイントのダメージを与えるが、優れたダメージコントロールでみるみる修復してしまうというお手上げの展開。連合軍の哨戒ラインをほぼ無傷で突破したドイツ艦隊は、目の前にうようよしている輸送船団になど目もくれず、重巡2隻の撃沈ポイントの勝ち逃げを狙って、みごと盤外突破に成功。大西洋は蜘蛛の子を散らしたような騒ぎになることだろう。 |
午前中、あろうことか彼女同伴で現れたK野氏は、昼食で中座した後、午後に再登場。ゲームは一切プレイしていなかったが、貴重な各種コレクションを大量放出していたりもして。どうしてそんなに気前よくゲームをばら撒いてしまえるのかと尋ねたところ、「僕が持っていても絶対プレイしないゲームだけれど、これだけ熱心にやっている会員さんたちなら、きっと役立ててくれるだろうから」とのありがたいお言葉。 |
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いつも何かしらお土産を持ってきてくださるK野氏であるが、今回のプレゼントは次のとおり。
ただし、入江さんのBlack Sea〜については、来年夏までに翻訳を終え、来年内にプレイすること(笑)が義務付けられたことを公開いたします(半分マジ)。 |
さて、Prussia's Glory集中プレイを終えた私は、一息入れたあとで、先生とFor the People(GMT)を対戦。ずっとむかしからルール翻訳を公言しておきながら、のびのびになっていた、昨今大流行のカードドリブンによる南北戦争キャンペーンゲームである。英文で30ページを超えるルール訳となると、なかなか情熱だけではどうにもならない事情があったのだが、YSGAさんに遊びに行ったときに、山内さんからいただいたAH版ルール訳を思い出し、これをベースに一挙に翻訳を進めてしまったという次第である。 |
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どの程度時間がかかるか不明だったのと、初プレイということもあり、とりあえずできるところまでキャンペーンをプレイ。1861年から始まる(1年3ターン)が、この年は両軍ともほとんど動員に明け暮れていたという前提があり、ここで勝敗を決するような大会戦が発生しないように、カード枚数が抑えられている。北軍は先生、南軍すなわちジェファーソン・デイヴィスは宮永である。 |
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実は、第3ターンの増援手順は特別ルールで制限されているということを忘れてしまい、ここからのプレイはまったく参考にならないのだが、一応の報告だけ。先の大戦役でおもうような戦果が挙げられなかった北軍は、ミズーリ軍を突出した形で残してしまっており、カードの関係で動かすことができず、これを見た南軍の西部軍に連絡線をカットされてしまう。また、J.ジョンストンに司令官を交代した北ヴァージニア軍が、ワシントンを迂回して、マクレランの軍団を撃破し、ワシントンを孤立寸前まで追い込むことに成功する。しかし、ここで妨害カードを食らって、虎の子の大戦役カードを捨てさせられた南軍も手詰まりとなり、時間切れで投了となった。はっきりと宣言しよう。
テーマだけで敬遠するプレイヤーが多い18・19世紀モノのゲームであるが、未熟な近代戦の面白さを知らずに通り過ぎてしまうのは、あまりにも惜し過ぎる。できるかぎり、こうしたテーマのゲームを紹介して、プレイヤーを増やすことができれば望外の喜びである。 |
ZERO! 珊瑚海海戦 チュートリアル:宮永さんとZorndorfのプレイを終えていた大森さんを捕まえZEROをプレイすることになった。事前にチュートリアルとして2回ほどドッグファイトを行い、手短なキャンペーンを希望されていたため、海戦キャンペーン(敵空母上空まで侵入すると結構あっさり終わる)の1つ珊瑚海海戦を行った。 |
2ターン 艦隊距離は、記憶から抜けてしまった。ストライクは日本軍は大規模攻勢、連合軍は上陸部隊攻撃を選択した。その後、増援として日本軍は、爆撃機の攻撃(空母機動部隊の攻撃前に爆撃機により敵機動部隊を空襲できる)、連合軍は偵察任務(偵察機を飛ばし、生き延びたターン数により増援が得られる)を選択した。連合軍が先にストライクを実施する。まず偵察任務を行う。SBDが1機飛び、零戦1機が迎撃に飛ぶ。結果、零戦に攻撃カードが殆ど来なかった(機関砲が故障でもしたのか)為、SBDは無事生還。連合軍に鬼のような増援が付く。増援も加え、F4F2機、爆撃機(SBD、 TBD)が合わせて5機(計7機)と大部隊となった。上陸部隊のCAPもまたランダム判定である。そして不運なことに、CAPなし。最初の3機程度の爆撃で十分だったと記憶している。当然、上陸部隊は壊滅。次にこちらからの攻勢に移る。まず、爆撃機の攻撃により96陸攻の爆撃(なぜか雷撃不可)を行う。相手は空母機動部隊のCAPであるF4F2機。1機は敵上空前に損傷状態にさせられ、もう1機も敵の対空射撃により損傷状態へ。96陸攻は損傷すると爆撃能力が無くなってしまうので、ただやられに行っただけとなる。そこで F4Fが止めを刺そうと襲い掛かったことが不運の始まりだった(結果的に放っておいた方が良かった)。F4Fの攻撃に対し、96陸攻からの機銃がクリティカルヒットし、F4Fは回避不能だったらしくリーダ機が損傷状態となった。おかげで、96陸攻2機とも撃墜されたのだが。この増援の良いところは、 CAPの損傷状態が、その直後の大規模攻勢にも引き継がれる点である。今度は日本機動部隊からの大規模攻勢が襲い掛かる。零戦2機、99艦爆1機、97艦攻2機の編隊であった。CAPのF4Fの内1機は瞬く間に零戦に葬られ、攻撃隊は全機無傷のまま敵機動部隊上空に侵入。対空射撃で若干被害を受けたものの問題なくストライクを実行した。99艦爆の超低空への急降下爆撃によりHIT 、Directで5ダメージ、97艦攻の魚雷が2本ともDirect(計16ダメージ)。すべて、命中というすざまじい結果(計21ダメージ。F4F2機損失も加えれば23ダメージ)に、連合軍機動部隊は海の藻屑と化したのであった。 |
おおっ!ただのカードゲームかと思いきや、かなり深い遊び方ができるようで!せっかく、C3I所収のカードもすべて所有しているのだから、私もプレイ戦列に加わればよいのだけれど、MtGに十数万の現ナマをぶち込んで以来、カードゲームには根源的な恐怖が・・・いや、コレクタブル・カードゲームじゃないことは承知していますけど。大森さんも、出戻り復帰から3ヶ月ですが、いろいろと対戦を重ねて、かなりリハビリが進んできた模様です。 さて、報告が長くなりました。他にもいくつかプレイされていたゲームがあるので、対戦者と結果を簡単に。 The korean War(エポック/サンセット) 山岸:北朝鮮軍 遠田:国連軍 「金日成ラインを超えられなーい!」(山岸談) 「戦車連隊の攻撃がちぐはぐで助かりました。それにしてもAir-Zocがこんなに強烈なゲームは、他にはないです(遠田談)」 ドイツ戦車軍団 エル・アラメイン(エポック/国通) 入江 栗原 それぞれ陣営を変えて2回対戦 2度とも栗原さん勝利 ドイツ戦車軍団 ハリコフ(エポック/国通) 入江:ドイツ軍 栗原:ソ連軍 「激しいたたき合いの末、残り4ユニットとなったソ連軍に前線をすり抜けられて、ポルタワを陥とされました。銃殺モノです」(入江) |
もっとも危険な企画『Prussia's Glory』集中プレイも成功裏に終わった。例会報告の締めくくりで、いつも「次回の対戦予定ゲームは……!」みたいなことを宣言しては、ぜんぜん違うゲームをやっているということからして、少なくとも私が気まぐれな男であることはバレバレであるが、コマンド49号では「ディシジョン・イン・フランス」が付録化され、雪解けの頃には「Hittler's Last Gamble」がライセンス生産、そしてシモニッチのバルジも控えているとあっては、早々に手元の西部戦線モノを供養しないと、大変なことになるという事態を踏まえて、次回は西部戦線集中例会と位置づけたい!!! ということで、この企画に賛同する会員さんは、ぜひとも熱い情熱で、この手のゲームをやっつけてほしい。 |