第15回例会 |
当日の延べ参加者は13名。前日深夜、東京からのとんぼ返りの私は、明らかに花粉症初期症状&急性咽頭炎の予感を漂いまくらせているが、例会とあっては動かねばなるまい。まずは、諸兄を差し置き、私の対戦から報告する無礼をお許しいただきたい。遠田氏と私は『Fortress Europe(JEDOKO/国通)』をプレイ。氏がドイツ軍、私が連合軍である。コマンド最新号で『Decision in France』が付いたことから、こいつを残すのはまずかろうということで決まった対戦だが、新作ゲームが出るたびに、同じような理由で過去の作品をほじくり出すという傾向が、ここしばらく続いているように思われてならない。 |
このゲームの肝といえば、やはり連合軍の第1次上陸地点の選定と、それを見越したドイツ軍装甲部隊の隠匿配置にあるだろうが、果たして第2ターンの晴天時に連合軍が上陸をかましたのは、ノルマンディ海岸とバ・ド・カレーの中間にある、ル・アーブルを主要港湾とする、ディエップ周辺の比較的防備堅牢な海岸であった。遠田氏はビスケー湾からの上陸を予想して、そちらに予備を重点配置した。したがって、当初の上陸そのものは奇襲効果満点であったが、ル・アーブルこそ早期に陥落させて、安定した橋頭堡の獲得に成功するも、戦線の両脇を河川が抑えているために攻撃正面が狭く、さらに河川沿いのルーアンとアミアンが、あたかもカーンとサン・ローのような役を担っているために、ターンあたり1ヘクスの前進もままならない始末。それでも、戦線の両脇を崩して、装甲師団3個を包囲下に置くチャンスを2度もつかんでおきながら、肝心のダイスで出てはならない1の目を振り出すという、私らしくもない展開。 |
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しかし、決定機を2度も失ったことで、連合軍が攻勢モメントを喪失したと判断した遠田氏は、重要な港湾拠点でもあるルーアンに対して。11個師団による猛反撃を決断する。私が攻勢側、氏が防御側というテイストのゲームの場合、私の攻め手のまずさに色気を出した氏が、予備兵力をかき集めて、スピアヘッドに3:1程度の甘反撃を仕掛けては、1の目をたたき出して敗退。これを契機に私のダイス目が冴えまくり、氏の戦線が崩壊して一挙に投了というのが、2人の対戦史の一類型であるが、果たして今回も氏は、よりにもよって1の目をたたき出し、かろうじて保っていたルーアン方面の戦線を崩壊させる。 |
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ル・アーブル〜ブローニュ間という上陸海岸は、それほど悪い選定とは思えないのだが、十分な戦力が集まらない段階で、橋頭堡の拡大に努力を傾注しすぎたことに敗因があるように思う。マストアタック&戦闘後前進にかなり厳しい制限か課せられているので、前進を狙うよりも、むしろ2:1〜3:1に航空支援+2くらいの攻撃をかけ続けて、確実にドイツ軍のステップを奪い、損害吸収用のユニットが不足してくれば、自分から戦線を下げざるを得ないはずなので、損害発生を第1に考えて攻撃を続けるべきであった。それと、上陸海岸が近すぎたことで、装甲部隊の融通の利く運用を許してしまったようにも思う。やはり第2次上陸は南仏が妥当なのだろうか。いずれにせよ、個人的な理由ではあるが、私はフランス人が大嫌いなので、自由フランスのヤサグレ師団がビスケー湾の藻屑となった瞬間には、心中で喝采を禁じえなかったことを明記しておく。 |
さて、高梨さん(今回、『Second Front』の和訳を進呈いただく)と渡瀬君は、「1809(VG)」を対戦。マップ2枚半を横つなぎするという、非常に例会映えするドナウ戦役(でいいんだっけ?)のゲームである。ビッグゲームの幽鬼・高梨氏の周辺には、常にこうした野心的なゲームが公転している事が判明したので、今後は無名戦士のビッグゲーム守護聖人として、末永い活躍を願いたい。というわけで、ナポレオニックの展開など分かるはずもないので、このあたりは無名戦士の若きヒッパルコス、渡瀬君に熱血レポートを照覧あれ。 |
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『1809(VG)』は、CoNシリーズの一つ、ナポレオンのドナウキャンペーンを扱ったゲームです。まず、見て驚くのがフルマップを2枚半縦に繋ぐという長大なマップでしょう。これを、端から端まで駆け抜けねばウィーンに行けないのでなかなか気の遠くなる話です(実際に見てみると本当に遠い)。今回はヒストリカルキャンペーンで進む所まで進めて見るという方向でプレイしました。 フランス軍:渡瀬 オーストリア軍:高梨 1ターン、目の前にいるカールをダヴーが強襲します。また、ナポレオンも増援で登場し、全体的に攻勢を仕掛け、目の前に居る敵を気持ちよく殴り、幸先の良いスタートを切った、と思った瞬間、要所であるレーゲンスブルグ要塞をぽつんと北にいたオーストリア軍部隊に強襲されあっさり陥落(フランス軍プレイヤーは北にいた部隊をもっと弱いとふんでいた)。これによりいきなりウィーンモラルが動くという大失態を演じてしまいます。そして、さらにはそれによりフランス軍後方から来るオーストリア軍増援に連絡線が通じてしまい、フランス軍策源が脅かされるという始末。自軍本体を囮にした格好になったカールはほくそ笑んでいたことでしょう。これにより、フランス軍は結局攻勢開始地点まで戻されてしまいます。 |
一方、渕上君と金井さんは、事前の打ち合わせでは『Thunder at Lutzen(???)』のプレイが組まれていたのだが、ほんの少し到着タイミングがずれたこともあって、金井さんは、山岸さん主宰の『Maharaja(AH)』大会(山岸・大森・金井・神村:敬称略)に吸引されており、渕上君は、これまた別途約束していた『太平記(翔企画/GJ)』を栗原さんとプレイすることになった。 |
で、問題なのが太平記。たいていは1〜2時間で片が付くはずのゲームであるが、多方面展開での小規模戦闘激発というこのゲームの罠に完全にはまり込んだと見えて、中断をはさんで、決着までに6時間もかかるという危険すぎるプレイ。Maharajaのほうも、誰一人脱落することなく最終ターンまで続いたものだから、両者が手空きとなったときにはすでに時間なく、山岸vs金井/金井vs渕上と、さらに2対戦の太平記が組まれるあたり、ほとんど太平記例会と化した一角では、セットアップを終えたThunder at Lutzenが血の涙に濡れていたとのこと。 |
山岸さんのリードでマハラジャを4人でプレイしました。山岸さんの他では神村さんがプレイ経験があたようです。紫:山岸さん 青:大森さん 緑:神村さん 黄:金井 1位:<緑>神村さん 2位:<青>大森さん3位:<紫>山岸さん 4位:<黄>金井 (担当した)4つ(の民族)が全部生き残ったのが大きかった、とは神村さんの弁。確かにそれぞれで万遍なく得点したのが大きかったのだと思う。全体としては、それぞれの勢力の特徴が頭に入ってくると、また面白さが変わってくるのだと思うが、勢力の変転を見ているだけでもなかなか面白かった。 |
『太平記(翔企画/ゲームジャーナル』 マハラジャの後、山岸さんに、前からやってみたいと思っていた太平記を教えてもらった。バランスはよくわからないので適当に武家を希望した。とりあえず尊氏を関東に、高兄弟を畿内に振り向ける。北畠顕家の第1次南下は尊氏でせき止めるが、なかなか地域支配を確立できない。のんびりしているうちに京を押さえられているものだから勝利得点が公家有利に傾いていくので、高兄弟を京に突入させたが、南畿を押さえられた上で決戦を挑まれて、敗北を喫してしまった。高兄弟は討ち取られはしなかったものの在家スペースに引きこもり状態。尊氏も関東で敗れて、勝利得点が10点に達したのが最初の冬ターンでそのままサドンデス負け。 |
設楽さんと入江さんは「ロイヤルネイビー(CMJ41号)」のシナリオ1を対戦。初めての入江さんに、設楽さんがチュートリアルしていた模様。陣営などは不明だが、間際の一発が運命の一弾となって、入江さん陣営が勝利していた模様。 |
ちょいさかのぼって12時くらいに現れた久野御大は、体調悪化を理由にゲーム対戦そのものは避けていたが、80年代ゲーマーとしての血が騒ぎまくるのか、ソロトークプレイは冴え渡り、あちらこちらの卓に出没しては、今は亡きゲームメーカーの濃すぎる薀蓄話を開陳しておられた。とはいえ、最近「Killing Ground(NES)」に異様なフェロモンを感じているとのことで、おそらく次回例会までには入手されていることと思われる。ちなみに、今回は私は、久野さんより『St.Lo(WE)』『The Desert Fox(S&T#87)』の二つを貸与された。『Campaign for North Africa』は辛かろうとのことで、同一システムのこのゲームならプレイできるはずという御大の師匠心である。 |
さて先日、大先輩ゲーマーのお宅に宿泊させていただいた折、私、はじめて「ドイツ系ゲーム」といわれるものをプレイして、そのゲーム性のすばらしさと、思考パズルの面白さにいまさらながら気づかされ、まさに目からうろこの体験をさせていただいた。私としては、自分のことを相当に人の悪いひねくれプレイヤーかと思って、電車の窓に映る自分にニヤニヤ笑いかけたりもしていたのだが、「いやぁ、宮永君は素直で分かりやすい」という大先輩の言葉どおり、全戦全敗という結果に叩頭した始末であった。よくよく考えてみると、大したプレイヤーでもない私がベテラン然とした態度でいられるのも、全ては太すぎるダイス運に支えられているという現実があったわけで、あらためて戦慄する。 |
まあ、それはそれとしても、ドイツ系ゲームに魅せられかけている私は、手始めに「カルカソンヌ2」を購入・持参していた。といっても、自分でプレイする気はそれほどでもなく、子供が興味を持ち始めているという会員さんに譲ってしまおうと思ったわけだ。しかし、プレイされている現場を見ることなくドナドナの牛にしてしまうのも寂しいので、ちょうどMaharajaが終わって手空きとなっていた神村・大森の両氏に勧めてみた。当初は、「こんな子供みたいなゲームをなんで俺たちが」的なノリであったが、パネルマップが拡大してゆくにつれて深まるパズル性にすっかりハマり、テーブル幅が足りなくなるまで白熱していた。ゲームは結局、遠田さんに引き取られることとなった。 |
遠田さんと栗原さんは、昨今話題沸騰の「朝鮮戦争(EP/サンセット)」をプレイ。すでにお2人は幾度となく対戦し、1プレイが800円を切っているというからかなりのものであるが、遠田・国連軍の強烈過ぎるエアZOCに阻まれ、いつもあと一歩というところで共和国軍が力尽きるという展開が続いているらしい。今回も、ソウルで比較的時間稼ぎに成功した遠田=国連軍がいやらしすぎる遅滞作戦を展開して、共和国の三猛攻撃を粉砕していたようだ。それでも第1キムソンジュ線まではたどり着いていたようである。次は「仁川上陸作戦」をやるといっていたお二人だった。 |
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さて、東京組はすでに帰られたので、残されたジモティ=茨城組で、山岸さん持参の『ATLANTIC STORM(AH)』をプレイ。山岸・入江・神村・大森・宮永による対戦である。これはWW2の大西洋における通商破壊戦をテーマとしたカードゲームで、場に置かれた船団カードに対して、プレイヤーはそれぞれ独軍か連合軍の立場になって兵器カードを投入し、敵陣営を撃退した陣営内で、もっとも有効なカードを切ったプレイヤーに点が入るというもの。当然、ビスマルクやティルピッツなどは非常に強力なのだが、そういうカードには天敵カードが用意されており、例えばビスマルクにはロドネイ、ティルピッツにはXクラフトといった具合である。獲得船団カードこそ平凡だったものの、天敵カードで大物を食いまくっていた大森さんが勝利していたような気がする。いずれにしても、雰囲気を楽しむゲームであり、あまりがつがつと勝利を求めるのは意地汚いと語る私が最下位であったことは告白しておくべきだろう。 |
ということで、今回はドイツ系やらカードゲームやらと、普段の無名戦士ではプレイされないタイプのゲームが目立ったが、決して間口を狭くしている会ではないので、今後も刺激になるゲームには積極的に取り組んでいって欲しい。 次回例会は、3月8日(土) |