『大阪無名戦士・発足準備会』

10月16日の発足が決まった新サークル「大阪無名戦士」の準備のため、主要メンバーが急遽招集された。となれば聞こえはいいが、15分程度の打ち合わせを挟んでゲームばかりやっていたというのは内緒。いずれにせよ、組織的には各地〈和泉・堺南部・堺北部・和歌山・五番町・南海高野線〉に名目だけの支部長を置き、会長にさばげ氏、幹事に私が就任しただけのこと。結局、実務は私が取り仕切ることになる。やれやれ。

ということで、準備会中におこわなれたゲームについて。当然、敬称略です。

●謙信vs信玄(アークライト)
鈴木銀一郎氏がひさびさにデザインしたシミュレーションゲームだが、厳密にいうとSLGのエッセンスを適度にまぶせつつ、ゲーム性に焦点を置いて、ボードゲームファンが楽しめるようにとデザインされたゲーム。戦闘解決にダイスを使わない事を重視したようで、アントライドのユニット戦力と手札の戦闘カードの数値を足して彼我を比較してゆくもの(らしい)。というのも、私は同じ頃、議題策定にウンウンうなっていた最中だったので、人のゲームなんか見ている余裕がなかった。「頭は使うけど、シミュレーションかなぁ?」とは馮道の弁。デザイナーの鈴木氏も「シミュレーションゲーマーには受け入れ難い面もあるだろう」的なことを言っていたと聞いているが、これがSLG側には受け入れられず、ボードゲーマーからは支持を受けるとすれば、まぁ、我々はもう戻って行けない場所まで到達してしまったと言うことか。我々はついに駆逐されようとしているネアンデルタール人なのか?


『謙信vs.信玄』ゲーム展開は不明。

●Hundred Days Campoaign(アークライト)
『謙信vs.信玄』を終えた頃到着した和伊愛と馮道が対戦することになったが、先に頭を使いすぎた馮道がルール読みを放棄したため、なぜか代わりにルール読みをした管理人。ワーテルロー戦役をテーマとしたゲームで、交互に移動を実施し、隣接したコマ同士で戦闘となる。フランス軍は地図南端から、イギリス・プロイセン軍は地図北端から登場。マップへの進入経路は各陣営とも3箇所あるが、ユニークなのはまず進入経路を決めてからユニットをランダムで1個引いて配置するという方法。つまり、進入経路は指定できても、どのような部隊が来るのかはランダムと言うこと。勝利条件は、ナポレオンを伴ったフランス軍が敵マップ端に到達するか、逆にイギリス軍がマップ中央の3拠点(リニーやカトル・ブラなど)を支配すること。移動の基本は道路移動で、移動単位はスタック毎。兵種には騎兵と歩兵があるが、スタックを分離して動けるのは騎兵だけ。スタックが大きくなるほど移動力が低下するので、1ユニットなら4移動力だが、4ユニットのスタックなら1ヘクスしか動けない(だったかな?)、このため、分進合撃のマネジメントが不可欠である。戦闘解決は豪快無比。ユニットは戦闘を実施するまで相手には裏返してブラインドされるので、戦ってみるまで分からないのがほとんど。隣接したユニット同士を表にして、戦力合計数が多い方が勝利する。負けた側は勝者側のスタックと同じ枚数の自軍ユニットを消耗する。この他、戦力カードが6枚ずつ与えられていて、1戦闘に最大2枚つぎ込むのと、移動に1枚使用すればダブルムーブが可能になる。カードの補充は戦闘回数分可能なので、戦闘でカードを使わなければ、手札が強化されるという仕組みだ。
 ルールを説明したところで、管理人は別ゲームに移ったので展開は不明。フランス軍としては自分のワーテルローをどこに見いだすか、そこに重点を置いたゲームのようだ。


ナポレオンは任意の戦闘で登場させられる。ナポレオン付きのスタックが敵盤端に達したらフランス軍の勝利。

●激闘! キエフ奪回作戦(GJ#9)
大和厨こと自称”エース”とポヤ郎の対戦。というか、どっちも行きつけスナック感覚で何も考えずにやってきたので、とりあえず未経験のゲームをすることになり、急遽本作のプレイが決まった。一時は「何を考えてゲームをしているか分からない」とまで言われていたポヤ郎も、PGGに開眼するや、当会きっての成長株に。今回プレイするのはGJ9号付録の『激闘! キエフ奪回作戦』。人気の43年東部戦線だが、『ウクライナ'43』や『RoF』をするのはチトしんどいと言うことで、私が持ち出した一品である。テーマはタイトルの通り、リュテシという村でひょんな事からドニエプル川をわたってしまったソ連軍が戦果を拡張してしまう前に、ドイツ軍が橋頭堡をたたきつぶすべく奮闘するというもの。ドイツ軍は師団、ソ連軍は軍団が中心で、ユニット数も輛具なわせてほんの40個ほど。この頃うじゃうじゃと存在する重戦車大隊やら懲罰大隊やら航空支援やらなにやらは、師団に付随するアイテムチットとして簡略化されている。プレイヤーは毎ターン得られる補給ポイントを混乱部隊の回復に充てるか、ポイント分の枚数のアイテムチットを引ける。アイテムチットの内容を確認したら、任意の師団にスタックさせて、チットの能力を付与できるという仕組みだ。通常は面倒くさいルールとともに運用しなければならないこうした些末な戦術要素を、プレイヤー自身が選択可能なチットにまとめ上げたデザイナーの手腕には感心する。『Turning the Tables(MiH/国通)』のそれに近い印象も、使用するまでは常時ユニットに付随しているところが面白い。ただし、相当癖のあるゲームなので、最初から成立させるのは難しいようだ。ソ連軍を担当したエースからも、以下のようなレポが寄せられている。

比較的平易なゲームで非常に盛り上がった。「面白い!」と非常に不満顔で言ったのは ゲームとしての面白さは感じつつも、 展開としては最悪だったノというわけです。

圧倒的なアイテムチットの破壊力と危険すぎる戦闘結果表のマジックユに気付いた時には、もはや取り返しのつかない事態に陥っていたノというのが真相です。 自分なりに気がついたことがあるので 今後チャレンジされる方はご参考に。

安易な攻撃は厳禁! 通常のゲームでは壊滅しない限り攻撃が失敗しても次のターンに再攻撃できる場合がほとんどです。しかしこのゲームはそんなに甘くはありません。効果的な攻撃を毎ターンかけ続けるためには攻撃側が損害を受けるような事態を極力避ける必要があります。戦闘結果でADは論外、EXも絶対に避けなければなりません。DRXですら極力回避すべきであることは明白です。


4ターン目あたりの状況か。このゲームに限ったことではないが、ちょっと特殊な運用が多いので、
対戦前に確認用のソロプレイをしておくべきうだろうか。

混乱状態になったユニットを元に戻すには3補給ポイントが必要です。 最大12ポイントの補給しかないのでADで自軍ユニットが3個軍の混乱状態になれば1ターンを捨てたも同然です。しかも15ターン中2度は補給0ポイントのターンがあるのです。

このゲームの恐ろしさに気付かず、やらかしてしまった1〜2ターンの全面攻勢! 大混乱の我が攻撃部隊ノそして追い討ちをかけるように1〜2ターンの補給ポイントは0ポイントノまさに悪夢! EXも同様です。しかも恐ろしいことに混乱状態にさせた敵軍ユニットにEXを出しても全く何の効果もありません。AD同様に一方的に自軍が消耗することになります。そんなわけでEXは敗北を意味しています。

ではそのような事態を回避するにはどうすればよいか?戦闘結果表の10:1欄を目指す。スタックは禁止なのでそのままでは戦力の集中に限界があるので相手の戦力を削減できる「支援砲撃」チットの活用が必須になる。1つの戦闘で2枚使うとかなりの確率で相手の戦闘力を0にして戦わずして相手を混乱・退却させることが可能だ。そこを戦車軍団の追撃をからませ戦線を拡大、敵軍の包囲を目指す。歩兵だと1へクスしか追撃できない為、戦車を集中し、3へクスの追撃をいかさなければ突出した部隊を僕のように各個撃破されてしまうぞォ!

そして万一の損害に備えて「戦車」チットをスタックさせる。戦車チットは戦闘を有利にコラムシフトできるだけでなく損害を吸収する重要な役割を担っている。意地でも混乱状態を回避するのだ! チットは何が来るかわからない変わりに、1補給ポイントで1枚を手に入れることができる。混乱回復の3分の1のコストで済むのだ。もっともティーガー大隊など戦闘を2コラムシフトできる強力なチットなどは迷うところではある。敵に攻撃を受けそうなユニットには、戦力を2倍にしたり、対戦車砲で戦車を吹き飛ばしたり、支援砲撃を無効にしたりするチットを使って相手を困らせるのが常套手段となるだろう。チットを2個持てるユニット、3へクス追撃が可能な戦車軍団ユニットの活用が攻撃(反撃)の重要なキーとなるだろう。

などといろいろ能書きを垂れてみました。なにぶん相手があってのことなのではありますが、それらを踏まえ、もう一度トライしてみたいゲームであります! 


”エース”氏投了寸前の状況。全然進んでない。

●幕間
当会会長でもあるさばげ氏のお宅を開放してのゲーム会なので、これまであまり詳細を外部に漏らしたこともなかったが、外向けには【大阪無名戦士】ができることだし、この会場でのシークレットギグも、まぁ、公開してみてもいいのではということで、簡単にプレイ風景を。


右側が馮道氏で対戦相手はさばげ氏。左手奥が自称”エース”氏、背中を向けているのがプエルコリダ氏。障子の奥は全部ゲーム。


ゲームをすると疲れます。さばげ氏も酔っぱらって一眠り。帝国の夢でも見ているのでしょうか?

●Boom Town(F2F)
シミュレーションではありませんが、かなり楽しい炭坑開発カードゲーム。5種類ある炭坑を効率よく買い占め、政治権力と結託してすこしでも多くの収益を上げたプレイヤーが勝利します。人の悪さがもろに出ますが、盛り上がること必至の好ゲーム。和訳ルールも入っているので安心ですね。さばげ、管理人、メビウス氏、和伊愛氏の4人で2度プレイしました。せっかくゴールドを掘り当てても、炭坑町に付けられたサロン(+ねーちゃん)に上がりを吸い上げられて「赤字だー!」と叫んでいた和伊愛さんの姿が印象的でした。


ほのぼのと底意地の悪い傑作カーゲーム『Boom Town』

他、『ミシシッピ・バンザイ(XTR/国通)』などもインストプレイされていたが、この日は衆議院議員総選挙。8時からは、皆テレビに見入ってしまい、なんとなくお開きとなった。こんなのんびりした例会もたまにはイイものだ。

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