『大阪無名戦士 第1回緊急特別部会』

11月12日(土)〜13(日)、ほんの思い付きから会長宅で緊急集会が催された。というか、3年前から続いている集まりで、会場キャパの問題から大々的にできないだけのこと。まぁ、酔っぱらいながらゲームしているだけなので、それほど大げさに報告するまでもないのだけど。


土曜日の前夜祭参加はポヤ、自称”エース”、和伊愛、会長、私、そして京都から下野守君(基本的に敬称略)。下野君は今回が初参加。たまに私とGMTのGBoHをやったりする仲である。

当会参加の洗礼ということで、まずは下野君が『Victory at Sea』で会長に挑戦。下野君がドイツ軍。第2ターンの強攻策が裏目にはまり、じり貧のまま会長の連合国に翻弄され、苦杯をなめていた模様。やや遅れて到着したエースとポヤは得意の『PGG』を対戦開始。エースはどうやらこのゲーム初めてのようだが、PGGシステムについては『ドイツ南方軍集団』や『ドライブ・オン・スターリングラード』でなじんでいるので、ゲームはすんなりと進む。また事前に千葉方面のベテランプレイヤーから基本作戦構想を伝授されていたそうなので、このゲームについては一家言あるポヤと互角の勝負を繰り広げていた。

会長に一揉みされて、一応お約束の接待を果たした(ん?)下野君は、かねてより私と約束していた『Men of Iron(GMT)』を対戦。新シリーズを作っては止めるR.バーグ御大の新作会戦級ゲームで、メル・ギブソン「ブレイブハート」で馴染みの深い(のか?)13世紀のイングランド=スコットランド戦争から2本、英仏百年戦争から3本、他1本の戦いを収録している(詳しくはCMJ64号の新作紹介を読んで欲しい【宣伝】)。シークエンスが特徴的で、ターンという概念がない。簡単に言えば敵味方の指揮官同士で主導権を奪い合うのだが、ちょっと詳しく解説してみると、あるまとまった部隊を率いる指揮官にはそれぞれ主導権数があって(2〜6:大きいほど優秀)、同じ指揮官の連続活性化は無理だけど、この主導権数以下のダイス目(d10)を出し続ける限り、部隊をアクティブにできるということ。もちろん手番奪取も可能だが、失敗すると相手にフリーハンドがいってしまうので、相手の失敗待ちが多くなる。ちょっと時間が経ってしまったので細かいところは怪しいが、おおむねそんなところ。

恐ろしいことに、ユニットをその場でちぎり、ルールもその場で読んでのぶっつけ本番だったが、ルール記述が非常に完結で、8ページ程度しかない上に、Simple GBoHと似ているところも多いことから、結構すんなりと遊べてしまった。むしろやっかいなのがシナリオブックで、こちらに特別ルールが多い(セットアップもわかりにくいし)。

と言うことで、プレイしたのは百年戦争から〈ポワティエの戦い〉。クレシーの失敗に懲りたフランス軍が、それなりに頭を使って臨んだものの、長弓隊による正面拘束と迂回してきた騎兵による側面破砕で敗れ去り、国王ジャン2世まで捕虜になる大惨敗を喫した戦いだ。もちろんイギリス軍司令官はエドワード黒太子。細かいところは省いて配置を見ると、フランスは3列横隊になっていて、最前列から主導件数は3/3/2。言うまでもなく「2」はジャン善良王だ。イギリスは前列の長弓を中心とした横隊が2つに分割され、それぞれのリーダーが3。ちょっと後ろの騎兵を中心とする打撃部隊がエドワードで、これが「4」(だったかな)。下野君がフランス。私がイギリス。

当初、フランス第1列がイギリス軍の前面に殺到したが、長弓隊の威力に足止めされ、2個騎兵が消滅。そこでイギリス軍右翼側に大きく旋回する(写真中1)。その一方で(クレシーに懲りて下馬歩兵主体となった)第2列が左翼湿地方面に迂回(写真中2)。両翼から押しつぶそうという考えだ。これに対して、イギリスはエドワードの予備で敵の第1列に反撃を加え、その1/3を屠っていたが、逆に左翼側の展開が早く、孤立の危機が出てきたため、一旦中央に撤収。ここでフランスは左翼側の活性化にこだわり、いつまでたってもジャンの第3列が活性化できずにいたのを見て、イギリスは両翼に展開したフランス軍を可能なまで引きつけてから、無傷の左翼長弓隊を中央にスライドさせてスクリーンとすると同時に、右翼側とエドワードの予備が一挙に無人となった中央部に殺到(3)。ジャンの窮地が決定的となり投了となった。

いろいろすっ飛ばしてのプレイであることは違いないけど、とにかく簡単なゲーム。特に好感なのが、移動とフェイシングの解決で、この手のゲームはユニット(部隊)の正面方向が決まっていて、向きを変えるのにいちいちヘクス内で移動力を消費する必要があったが、MoIでは移動を終えたヘクスで向きを自由に変えられるようになっている。フレキシブルな分、移動力を小さめに押さえてあるので、それほど不自然なことにもならない。それはこの時代のシミュレーションとしてどうだ? という意見は確実にあるが、結局、プレイヤーの立場は総司令官であり、部隊単位でのフェイシングの問題などは現場部隊長の責任なのだから、これくらい簡略化されるのは歓迎である。そもそもマイナー三昧のテーマが目白押しなので、まずはプレイの間口を広くしておくべきだろう。好き者だけがゴネゴネ駒をいじっていればいいわけで。もちろん、自分は好き者の中の好き者。

あ〜〜、長々と真面目に書いたので疲れた。対戦を終えてごろごろしていたら(既に夜中2時)、隣で和伊愛と会長が『SSバルジ(翔企画/CMJ#46)』を終えたところだったので、4人で『The First World War(Phx)』をプレイ。この日に届いたばかりのテッド・レイサーの新作で、2〜4人用のWW1キャンペーンである。プレイヤーは協商国(西側+ロシア)と同盟国(ドイツ+オーストリア)の陣営で11の戦区を巡って戦い、まず陣営としての勝利を目指し、その中でより得点の多かった方が勝者となる。敵領土に侵攻すれば勝利ポイントが獲得でき、その戦区の敵本拠地を奪うと、敵国降伏ポイントが1上昇する。ターンの最後にダイスを振って、降伏ポイント以下が出たらその国は脱落となるので、西側はロシアを、ドイツはオーストリアを救いつつ戦わなければならない。あと、どうせドイツに厳しく攻め込まれるロシアは「ブレスト・リトフスク条約」の受諾が可能である。どういう事かというと、ドイツはロシアに対して講和を持ちかけることができる。ロシアがこれを受諾したら、その時点の戦線を維持したままロシアは脱落する。ドイツは各線区に1個軍を残す他は、全ての兵力を他所の戦線に転用できる。ロシアにとってのメリットは、条約を受諾した場合でも、西側の奮戦で「協商国陣営」として勝利した場合に、8VPが追加でもらえること。つまり、国内のVP都市を7箇所取られていても、同盟陣営が負けさえすれば、最終的には「+1」VPとなる仕組み。ロシアが脱落すれば西側は嫌でも積極攻勢を取らざるを得なくなるから、ロシアは苦労を西側に押しつけられるのだ。だから、仮にロシアが無傷であれば、まずドイツから講和を持ちかけてくることはないし、滅亡寸前まで追い込んでしまうと、ロシアがこれを受諾することはない。ドイツとしても絶妙のタイミングで講和を持ちかけねばならないのだ。もしロシアがこれに応じなかったら、ドイツは西側からもみくちゃにされるが、その場合、ロシアのトップ目は消える。なぜなら戦争終盤、オーストリアを降伏させずにおいたドイツ軍が東西で攻勢に出ていることは物理的に不可能なので、自然と攻勢の矛先はロシアに向かう。だから、ブレスト〜条約が重要な仕掛けとして機能している。

この時点でのプレイは、またもその場でルールを読みながらだったので(しかも深夜)、いろいろとミスがあったのだが、プレイ後にじっくり精読してすべて納得した。これは翌日にもプレイされることになる。

会長と和伊愛、下野君は眠りに入る。私も同じくなので、この日は近所の自宅に帰ったが、夜中の3時半の時点で、ポヤとエースのPGGは続いていた。


これは13日の再戦時の状況。ポヤとエースは2日間に、このゲームを2回ぶっ通しで遊んでいた。

翌朝9時、会長宅に来てみると、すでに全員起床。エースとポヤはもう『PGG』を再開している……と思ったら、昨夜から寝ずにぶっ通しでプレイしているとの事。この2人、ほんまもんの●●や! あと和伊愛のトレードマークでもある大いびきは今回も健在だったとのことで、私はいつも耳栓持参で寝ていたものだが、部分的に無呼吸になっているからやばいですよ。もしもの事が起こる前にダイエットするか、僕に株券を譲渡しといてください。

既に紹介した愚連中年4人と下野君と私の他、13日の参加者は馮道と金雲母といちねんせい嬢。いちねんせいは最近、思いつきで読みはじめた「西部戦線異状なし」(「西部戦線異状なし?」ではない)に萌えた(なんで?)とのことで、WW1モノのプレイを希望。いろいろ考え、一番ポピュラーな『World War 1(SPI/Tac)』を金雲母と対戦。私が隣でルール解説しつつ、いちねんせい=協商国、金雲母=同盟国でスタート。詳細をお知らせしたいところだが、彼女はこれをネタに記事を書くとのことなので、写真だけ。


懐かしすぎる『World War 1』 まごうことなき傑作ゲームだが、プレイを見たのは本当に久しぶり。。

『World War 1』を終えた後、今度は私と下野君を加え、『The first World War(Phx)』をプレイ。すでにルールは精読したので、完璧なプレイ。これも詳細をお伝えしたいところだが、いちねんせいが記事にしたいと言うことで写真だけ。


セットアップ


かなり押され気味のロシア。
個人的に同社の『Revolution』ほどの衝撃はなかったが、戦闘システムもテッド・レイサーらしくユニークで、
展開も早く、
1時間半もあれば遊びきるところが素晴らしい。問題はあの箱のでかさだろうか。

ポヤとエースの第1戦は、エースがドイツ軍で押し切った模様。千葉の有志の作戦研究が非常に有益だったとのこと。これにおさまらないのがポヤ。大和ミュージアムにかぶれ、大和ロゴ入りリストバンドと大和T シャツを着込んでご機嫌のエースに対して再戦を要求。眠りもせずにセットアップを開始している。ポヤってそんな人だったっけ?

金雲母といちねんせいが『World War 1』を対戦している間に、馮道・和伊愛・下野の3人は『異聞関ヶ原(ADT)』を対戦。う〜ん、このゲームの対戦って初めて見た。下野氏は、あまりのプレイ回転数の早さに目を回し、途中脱落していたようだが、勝ったのは東軍指導の和伊愛とのこと。


『異聞関ヶ原』
信号機みたいですね

その後、会長・馮道はお決まりの『ドイツ戦車軍団』から〈ダンケルク〉を対戦。和伊愛・下野・いちねんせいは、和伊愛持参のカードゲームをプレイしていたが、私はその間、もっぱらうどん喰い。隣室で『Bio Hazard 4』に興じる。アイアン・メイデン相手に、リボルバーマグナムを〈頭〉→〈胸〉→〈脚〉と当て、倒れたところをナイフで三突きし、ちょっと離れて火炎手榴弾でとどめというコンボを徹底訓練した(アホ)。


『ガダルカナル戦記(自費)』もプレイされていました。

カードゲーム(名前失念)の勝者はいちねんせいだったとのこと。どうでもいいが、カードゲームだけは妙に強い彼女。手持ちぶさたにしていたので、前から興味を持っていたという『独ソ電撃戦』を彼女がドイツ軍でインストプレイ。私もかなり久しぶりで、また、あまりいい思い出のないゲーム〈とにかく負ける〉だが、いちねんせい相手ならどにかなるだろうと高をくくっての対戦。いやぁ、ヒヤヒヤしどおし。もちろん3ターンには鉄板戦線が張れたので、ソ連の勝ちは確定だったが、内心〈うぉ!あそこに装甲を流し込まれたら!〉とか〈ありゃりゃ! 戦車が包囲されるじゃんよ!〉と焦りっぱなし。暇に任せて観戦に来た会長も、このゲームにだけは自信があると自称してはばからないメーカーお偉いさんかつ趣味は仕事中の散歩というのんきな身の上なので「いやぁ、儂がドイツ軍やったら、M君、いまごろズタズタやね!?」とか嬉しそう。いずれにしても、このゲームだけはもう2度と他人とはプレイすまいと誓った次第であることをここに告白する。


久しぶりの『独ソ電撃戦』いちねんせいはいつかの再戦を望んでいたが、私はもうイヤです。

PGGの2戦目を終えたエースとポヤはぶっ倒れている。またも勝利したのはエース! 私相手には極めて勝率の低いエースも、ポヤ狩りは得意とするようだ。ポヤもPGG以外がやりたくなってきたと言っていたので、次回の動きが楽しみだ。

時間はすでに夕方6時。そろそろ帰宅者が出る時間帯で、まずは下野君がおさらば。また遊びに来るとのこと。勝負根性付けて帰って来い! で、どうにも時間が余った感じの馮道・いちねんせい・私を、和伊愛がつかまえて、買ってきたばかりの『ルーンバウンド2nd.日本語版(Arc)』をインスト。多人数ソロプレイチックなボードゲームで、盤面のイベントヘクスを踏みながら成長してゆくところは、なんとなく懐かしい感じがしたが、いかんせん、私のキャラは〈不運な強敵遭遇→負傷→回復できず→雑魚を追う→なけなしの金で回復→再度、強敵遭遇〉の低成長スパイラルにはまってしまい、ぜんぜん面白くない。反対に仲間や強力な武器を手に入れてドンドン先にすすむ馮道といちねんせいは楽しそう。でも、結局勝ったのはシステム面の中ボス【ヴァルケシュ卿】だったので大笑い。いずれにせよ、ブースター展開しないと意味のないゲームだろうな。


このコンポーネントが日本語化できるところがすごい!
アークライト社の『ルーンバウンド2nd.』

なんだか2日間、英語ルールばかり読まされていた感じがするけど、やはり例会はいいものです。次回は12月11日(日)。和泉シティプラザでのオープン例会です。来たれ、南北戦争を愛する古強者よ!

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