『大阪無名戦士 第3回定例会』

2月12日(日)、和泉シティプラザ2-A学習室にて、大阪無名戦士・第3回定例会が行われた。古参相手は基本的に敬称略。

前夜祭は夕方から会長宅。私は昼から自宅で届いたばかりの『Ancients(GMT)』の下ごしらえ。流浪のデザイナー、リチャード・ボーグの傑作『Memoir'44(DoW)』のシステムを流用した古代会戦ゲームだが、さすがにテーマ的にも、また登場兵種の多さからもフィギュア化は無理だったようで、4種類の大きさのブロック両面にいちいちシールを貼らなければならないのが大変だ。まぁ、ルールは相変わらず簡単(と言っても増えている……)なので、近いうちにプレイされるだろう。余談ではあるが、P1000だかで事前に予約を入れていた購買者には、ピュロス戦争などのおまけシナリオが用意されていたらしい。これはショップで購入したので当然ノーマル。ま、そんなシナリオが付いていようがいまいが、もともと戦場から場面設定だけを借りたミニチュアライクのゲームなんだから、目くじら立てる必要もないけれど。ただ、Compass Gameとか、メーカーレベルでものすごくクオリティの高いゲームを作っている会社も、完全に直販に切り替えたりしているところを見ると、もうアメリカでもマスプロダクツのビジネスとしては成り立たなくなってきているのかな。


ロバート・ジョンソンのブルースを聴きながらブロックにシールを貼っていると、
祈りにも近い気持ちになってくるから不思議だ。

アルツマン改めソベナミ会長宅にての前夜祭。いままであまり明確にされていなかったが、会長宅は当然ながら一般家庭であり、気むずかしくてセンシティブな同居人がいたり、デリケートなペットも飼っていることから、誰でも彼でも前夜祭に参加できるというわけではない。もともと《大阪南方軍集団》とか僭称するゲームゴロが母体の当会であるが、この基本構成メンバーからなる安全保障理事会の全会一致および奥方という名の事務総長からの許可がないと、前夜祭には参加できないことになっている。このメンバーは会長・麦彦・自称エース・私の四名だったはずなのだが、この日、ポヤ朗が五大国の一員であることを初めて知った。東京組がご無沙汰なのをいいことに利権を主張する気になったようだ。台湾をハブにして安保理に居座っている中国共産党みたいなものか。

さて、小難しい話はどうでもいいとして、前夜祭の参加者はソベナミ会長、麦彦、エース、私、鉄人、ポヤ郎の6名。鉄人は日曜日の参加が無理なので、前夜祭だけ遊びに来たという事情。またポヤは仕事、エースは滋賀にモーグルに出かけていて、それからの参加ということで、ゲームをしたのは4名だけ。

鉄人はソベナミ会長を相手に『史上最大の作戦(エポック)』をインスト。「わしは若い頃にやったことがある!」とか叫んでいた会長だが、20年前だろうが2ヶ月前の事だろうが大差ないだろうというのが会長を知る泉南・和歌山ゲーム界の常識である。そんなわけでこの対戦の詳細は割愛。なんかシェルブールでドイツ軍が変なことやっていた。

麦彦と私は『Across 5 Aprils(VG)』より〈Shiloh〉シナリオを対戦(麦彦氏が最近購入。今まで南北戦争ものは手を出す気がしなかったが、B&Gのチカモーガに感動し興味を持ったとのこと)。テネシー戦線の流れを決定づけた重要なシャイローの戦いであるが、人によっては“シロー”の戦いとか呼んじゃったりするのがご愛敬。なんだっていいんだ、通じれば。

Blue & Grayのシャイローは狭い正面で押し合いへし合いしているだけの印象だったけど(といいつつ2回しかプレイしていない)、こちらは南軍がすべて増援扱いで南西端(写真の左上コーナー)から登場してくる。接敵しなければ北軍は第6ターンまで活性化できないので、序盤の機動で南軍は攻撃ポジションと重点を自分で設定できるのだ。また、第6ターンまでは奇襲効果として南軍の攻撃に1シフトの修正が与えられているので、速攻に賭けるか、側面迂回に時間を使うか、これが結構悩ましい。

互いに初めてのゲームだったので、うまく戦闘前退却を使いこなせていなかったことから今回はさわりだけとなったが、とても健全な匂いのするゲームだ。後日、ぐちーず氏のところでもシャイローを対戦してきたが、やはり同様の感想を得た。フォーメイション(師団)ごとにチットで活性化し、かつ戦闘もチットで発生するゲームなので、当会ご自慢の多人数作戦級開催時など、受け持ち師団を決めてゲティスバーグをやったら盛り上がることは間違いない。


投了直前。テクニカルなルールの運用に気づかなかったため対戦自体は参考にならないが、
重点を自分で決める楽しみは堪能できた。

鉄人相手にドイツ軍を率いてウンウン唸っている会長〈そういえば前回も『Cobra!』で酷いことになっていたな……〉を尻目に、私と麦彦は『正宗の一番長い日〜仙道人取橋1585〜』を対戦。クォーターマップの同人ゲームで、人取橋合戦の会戦級ゲーム。佐竹義重を盟主とする南奥羽連合軍を、4分の1の兵力で食い止めるという設定。こちらもチット引きで活性化したフォーメイションが移動・戦闘を行うという非常に素直なゲーム。

麦彦が南奥連合、私が伊達軍をチョイス。劣勢な伊達陣営としては、敵の突破を許さないという勝利条件からも瀬戸川・観音堂山に布陣し、伊達成実隊を予備にして敵突出部を潰しながら暫時撤退という展開になるのは当然なのだが、あえて片倉・伊達成実隊を左翼から突出させた。この結果、戦意の低い石川・岩城勢を各個撃破するまでは良かったが、調子こいて人取橋から出張った原田隊が返り討ちに遭い、敵に中央突破を許すというあまりの展開に涙。同作品はシリーズ化されていて、伊達政宗の生涯の戦場を扱っているとのことだし、ルールは2ページと極めてシンプルなので、他のシナリオもプレイしてみたいところだ。


『政宗の一番長い日(同人)』個人的には合戦級は機動性が命と思っている。

この頃になると自称”エース”と自称”五大国”が到着。なんか、ノルマンディからはドイツ軍がいなくなってしまったようで(「連合軍の進撃を早めて、アカのヨーロッパ支配をくいとめてやったんや!(会長)」)、酒を飲みながらのゲーム談義が始まった。このとき、鉄人デグがアルペンスキー1級資格の保持者であることが発覚。3月5日には自称”モーグラー”のエースとゲレンデ対決が見られることになったという。私は群馬県水上をフィールドとする自称”バックカントリー”なので、いまいちゲレンデには熱くなれないのだけど、多分、この弛みきった身体で冬山に入ったら確実に死ぬ。あーあ『Outdoor Survival(AH)』でもやるか。


日曜日、本割りの参加者は鉄人を除いた前日の5名の他、和歌山や大阪各地から11名が集結(計16名)。やたらとASL率が高かったようにも思えるが、その隙間隙間で数奇モノゲームもおこなわれていた。

ちなみに明け方までウィスキーをかっくらっていたポヤ朗は、会場入りすることなくロビーのベンチで撃沈。午後になるまでノックアウトされていた。


大阪に来てから、こういう人をやたら目にするようになりました。

ソベナミ会長とエースは『Battles for the Ardennes(SPI)』より〈セダン〉を対戦。聞くところによると、ソベナミ会長はBftAの20年来の大ベテランとのことで、最後にプレイしたのは20年前、セダンについては初めての対戦とのこと。もうすぐサンセットから再販される同ゲームだが、このセダンは44年ではなく40年の対仏戦をシミュレートしている。TAC誌の付録にもならなかったので、あまり対戦されたという話は聞かない。ドイツ軍エースの怒濤の進撃を、フランス軍ソベナミ会長がかろうじて食い止め、あの自称”エース”から勝利をもぎ取った。「ルールはワシにまかせとけ!との事でしたので、胸をお借りしました。次から次へと繰り出される会長の新ルールの連発に、ほとんどなすすべ無くやられてしまいました……完敗です」とはエースの弁。


割とコマ数も少ないし、橋梁破壊とかも発生しないので
サクサク進んでいた模様。

和歌山より参加のT見さんたち(計4名)はASLを集中的にプレイ。次のような説明をいただきました。

●シナリオ;SHKLOV'S LABORS LOST(T4)
シナリオ概要;バルバロッサにおける、独ソの市街戦。
プレイヤー;ドイツ軍;T見 ソ連軍;K村
コメント;両プレーヤー共、長い間プレイしていなかったこともありトーナメントシナリオ(MMPのサイトに掲載あり)でリハビリプレイ。要所要所で独軍のdrが決まったため独軍勝利。

●シナリオ;A Long Way to Go (S11)
シナリオ概要;シシリーでの米軍防衛ライン突破を試みる独軍との戦い。
プレイヤー;ドイツ軍;U野 米軍;M本
コメント;こちらもリハビリプレイ。
シナリオはスターターキット#2のものだがルールは本ルールでプレイするという変則プレイのため、ややバランスを欠いた展開となった模様。

●シナリオ;PANZER GRAVEYARD(J32)
シナリオ概要;44年のイタリア。ある村に立て籠もる英軍に対しAFV支援を受けた独軍の攻撃。
プレイヤー;ドイツ軍;T見、U野 英軍;M本、K村
コメント;久しぶりに大人数で集まったため最後は4人でプレイ。シナリオはASLジャーナルより。時間の都合上2ターンまでしかプレイできなかったもののAFVの数的優位(8:2)で押しまくった独軍が優勢のまま終了。


最初は2人対戦でそれぞれ別のシナリオを遊んでいました。

第1回より参加しているTKM氏(二つ名が欲しいようだがまだまだヤレン!)は友人のF田氏とともにまずはさくっとASL SK#1を対戦し、続いて昼を挟んで『Onslaught(TSR/国際通信)』を陣営を入れ替えて2戦。最初はTKM連合軍が海に追い落とされ、次にはTKMドイツ軍が必殺のショットガンフォーメイションを布いて待ちかまえていたにもかかわらず大突破されていた模様(詳しくは分からないので、補則訂正があれば掲示板にドーゾ)。いずれにセヨ、2戦目の敗北確定時に「こうじゃ!」とか叫びながら突然コマをかき回すあたり、相当のダメ人間と見た。いいぞ。

11時過ぎにいちねんせいが到着。「カードドリブンをやってみたい」とか生意気なことを言っていたので、おいちょかぶでも教えようかと思ったら『Twilight Struggle(GMT)』のルールを読み込んで来てたので対戦。私がソ連、いちねんせいが米帝。実は前々日に最初の2ターンだけインストしておいたので非常にスムーズではあったのだが、プレイの内容になればそれはそれ。得点カードの使い方がいまひとつ飲み込めてなかったようで、アジア→中東→東南アジアの連続コンボでポイントをガッサリといただき、第5ターンにソ連のサドンデス勝ち。

どうにも納得いかない様子のいちねんせいだったので、今度は隣で見学していたT村氏と同じ陣営で対戦してもらうことに。今度は慎重に手札を選び、欧州・アジアで攻勢をつよめるいちねんせい。一時はVPで5ポイントの優勢に立ったが、Mid Warの第4〜5ターンにかけての中東→欧州→東南アジアコンボに翻弄されて一気に15VPを奪われ、終始劣勢(コンボに翻弄されたと言うより、そのケアの仕方がまずかったのだが、何文字書いてもきりがないのでここでは割愛)となる。Late Warのカード炸裂に賭けたいちねんせいは欧州を枕に大攻勢を賭けるものの、なぜかこの段階で飛び出す「ワルシャワ条約機構」やら「キューバ革命」やらに減殺されて敗北した。とはいえ、最終ターンまでモラル崩壊せずよくやりきったものだ。


T村戦、終盤の状況。やはり支配マーカーが必要だな。


『Twilight Struggle』の対戦を眺めながら『Gettysburg(Col)』のブロックを作る管理人。
ちなみにRed Badge of Courageは 〈勇気の赤いバッヂ〉ではなくて、赤色勇敢章という勲章のことで、
チャンセラーズヴィルを描いた同盟の小説が知られています(うろ覚えなので怪しい。信じるな!)
つうか、こっちの副題はBadge of Courageだったか……

キタキツネ、和伊、麦彦の3名は『三国志遊戯(はなやま)』を対戦。ゲームとしてはむちゃくちゃ面白いと聞いていたが、盤面がすごいので客観的に見て何が起こっているかわかりにくい。補足があれば受け付けるのでよろしく。


マルチがガチで苦手な麦彦だが、積極攻勢で押しまくっていた模様。
わりと時間がかかっていました。

ようやく二日酔いから回復したポヤ郎は、これも午後参加だったメビウスをつかまえてB&Gの『Chickamauga(SPI)』を対戦。最近、当会で南北戦争ものが盛り上がっているのを見て触発されたようだ。南軍ポヤ、北軍メビという布陣だったが、序盤に北方への延翼をしなかったポヤは重点をつくらないまま、ずるずると北軍に押さえ込まれ、このままは僕かと思ったところ、中〜終盤、1:1攻撃を中心とした全面攻勢に打って出た南軍ブラクストン・ポヤック将軍は、この戦闘のほとんどを成功させて、北分北部に大穴を穿ち、その後もイケイケで押しまくって、気が付けば大突破を果たしていた。双方とも初めてだったので定石を無視した展開ではあったが、とても面白かったとのこと。こうしてA5Aマルチの下地が少しずつできあがってゆくのだ。


ブラグストン・ポヤック捨て身の大攻勢(早い話が1:1の総攻撃)がことごとく成功し、
北軍左翼に大穴が開いたの図。重点形成がB&Gの要点のハズなんだけど……

ソベナミ会長(ソベル中尉“並”の統率力と軍事的センスを兼ね備えていることから命名)とエースは、〈セダン〉に引き続き、今度は『ドイツ南方軍集団(SPI/Sunset)』から傑作の名高い〈キエフ〉をチョイス。ソ連軍ソベナミとドイツ軍エースでめまぐるしい攻防戦を繰り広げていたが、最後はソ連軍が姿を消していた模様。

ついでソベナミ会長は、『Onslaught』を終えて惚けていたTKM氏をつかまえ、『Basic 3(HJ)』より〈スエズを渡れ〉を対戦。さっくりと勝ったのはエジプト軍TKM。会長によれば「うんざりするほどエジプト軍の砲撃が命中した」との事だが、かといって、南からのエジプト軍増援が中央部の道路に食い込んでいるのはいかがなものか? いろいろ疑問の多い盤面だったが、そこは武士の情け、だまっておこうと思った矢先に、「でも、これってやるべきことやってたらイスラエル軍がちゃんと勝てるゲームですよねぇ」と空気を読めないいちねんせいの言葉に、場は大爆笑に包まれる。なんという和やかな風景だろう。


こんなマルチ対戦されていました。時間が無くて序盤だけで終わっていたようですが。

次回は4月9日(日)。これ以上増えると収容できなくなるかも知れないが、ま、それはそれ。他に場所もないし、当分はこのスタイルで行こうか。

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