『大阪無名戦士 定例役員会』

3月18日(土)〜19(日)にかけて、会長宅で役員会が行われた。当役員会も結成から4年を迎え、これまでの拡大路線を見直し、オープン例会との棲み分けを明確にすることで意見が一致した。やはり、一般のご家庭を解放しての運営には、それなりの気遣いと人選が発生するのですよ。ということだが、今回はほぼ皆勤のエースがスッポンかまし、麦彦が家庭内ZOCからの離脱判定に失敗。不良理事のポヤ朗はジャイアンロジックのセルフプロデュース送別会で来られないと言うことで、会長、和伊、TKM、管理人、計4人での前夜祭開催となった(基本的に敬称略)。

プレイしたゲームは『●●総力戦(仮の仮)』。詳しい内容は書けないのだが、前回の臨時役員会ではアルツマン会長と麦彦が一日で8戦こなし、今回も和伊、TKM、会長間で3戦こなしていた。私はもっぱらルール解説とデバグに集中。来月の例会後には写真付きでオープンできるか。


翌日、私は一週間の激務の疲れがとれず、昼からの参加。和伊は急ぎの仕事が入り、泣く泣く退場。入れ替わりに麦彦とメビウスが到着していたので、なにか新しいことをしようと言うことになり、以前より温めていた『Across 5 Aprils』から〈ゲティスバーグ〉をチョイス。

師団相当のフォーメイション毎にチットで活性化し、南北両軍に1枚ずつ用意されている戦闘チットが出たら、その時点で攻撃を解決する。強ゾック&移動開始時の離脱可能(再侵入は不可)、砲兵射程4ヘクス、マストアタックか戦闘前離脱というきわめてシンプルなゲームなのだが、南北戦争の根底を貫く〈ままならなさ〉と、軍事の定理〈重点の形成〉という両方の要素が無駄なく再現されていて、チットにありがちな「遊ばれている」感がほとんど無い傑作ゲームだ。

〈ゲティスバーグ〉の他、シナリオは〈シャイロー〉〈ブルラン(未経験)〉〈ベントンヴィル〉〈ピーリッジ〉があるけど、後者2つはミニゲームの要素が強い。〈シャイロー〉はぐちーず氏のところに丁寧なレポートがあるので、そちらを参照されたし(氏の気遣いでM永が実態からおおきくかけ離れた描かれ方をされていることに注意)。後続の到着を待って重厚な攻撃を仕掛けるか、それとも、奇襲効果を重視して速攻を仕掛けるか、最初の判断が重要な好シナリオである。

〈ゲティスバーグ〉では、最初、盤面にあるのは北軍ビュフォード麾下2個騎兵旅団だけで、以降、南軍のA.P.ヒル軍団と北軍の第1軍団(レイノルズ)が逐次到着し、最初の重点が決まる。その後、一足先に北軍第11軍団(ハワード)が到着するが、同じタイミングで、この場合の北軍右翼(つまりゲティスバーグ真北)からユーエル軍団が到着するため、第11軍団はゲティスバーグに全力疾走という史実はおおざっぱに説明。初日の北軍は、基本的にマクファーソン・リッジからセミナリー・リッジの線でヒルを食い止め、可能であればユーエルのゲティスバーグ突入を阻止する。阻止が不可能なら、損害をおさえてセメテリー・ヒル〜カルプス・ヒルの線を死守するという方針を説明した。

夜間ターンを挟んで3日間の戦いをシミュレートする〈ゲティスバーグ〉では、一日の終わり毎にサドンデス判定があり、この基準は史実のそれに沿って判定される。初日の南軍勝利条件は、目標ヘクス1カ所の奪取と、北軍に対して1.5倍の損害を与えることで、この目標ヘクスがゲティスバーグ市街地に設定されているからだ。南軍は戦力を集中しやすい設定になっているため、初日の北軍がサドンデスから逃れるためには、プレイヤーの意思統一が明確でなければならない。守りにくい市街を放棄するなら損害を僅少に押さえる必要が生じるので、いずれにせよ、序盤の北軍の危うさを説明する必要があったのだ。

ということで、布陣は次のようなもの。

南軍:会長(A.P.ヒル)、メビウス(ユーエル)、管理人(ロングストリート)
北軍:麦彦(レイノルズ、ビュフォード、シクルズ)、TKM(ハワード、ハンコック、スローカムら)

最初のプレイでは、A.P.ヒルの猛攻(というより、南軍チットの効率の良さ)に翻弄されたレイノルズが序盤で半壊し、セミナリー・リッジの防衛すらままならず、そのままゲティスバーグを取り囲むようにヒルとユーエルが連携してしまったため、北軍はなすすべ無くサドンデス負け。

同じ頃、鉄人デグが30分後に到着することが分かり、まずは氏の到着まで感想戦。攻撃時における北軍の戦力集中の難しさを実感したことから、今度は鉄人を北軍に投入しててこ入れする形で再戦することになった。


第2戦目 最初の市街地攻撃は何とか撃退したものの、
セミナリー・リッジ(写真市街地下側の丘)を南軍に押さえられ、南軍の戦列が直線なると北軍は辛い。

先の反省からなるべく堅牢な地形でヒルを押さえ込もうと考えた麦彦レイノルズは、マクファーソン・リッジに堅牢な戦列を布いて待ちかまえた。これを見て、ヒルは南方に延翼をはかりつつ迂回路を探していたが、側面に伸びていた道路を甘く見ていた麦彦の一瞬の隙をつき、突出気味の2個旅団を包囲殲滅(レイノルズは狙撃されて死亡……うそうそ)。このため、北軍は前進防御どころではなくなり、5ターンにしてセミナリー・リッジまでなど戦列を下げることになる。

これを見てあわてた鉄人ハワードは側面を気にしつつ、何とか市街北面に戦線を作るが、ユーエルの部隊が自軍の2倍に近いことを知ると、一端市街を明け渡して、ユーエルを引きずり込み、後で到着するTKMハンコックと連携してのバックハンドブロウに望みを託す。

ここからしばし、一進一退の攻防が続くが、おおむねチットが南軍有利に展開し、第9ターン開始時には、北軍の損害が南軍の3倍を超える後のない展開。サドンデス負けを避けるためには、市街戦に全ての予備を投入する必要に迫られ、ピケット・チャージもかくやといわんばかりの全面攻勢を敢行しようとしたが、レイノルズの後を受けたダブルデーとの連携が悪く半端な攻勢となってしまい、簡単に撃退される。これで万事休す。北軍はまたもサドンデスの屈辱に沈むことになった。


序盤4ターンくらいは位置取りの機動戦になるため、第1日目が長めに設定されている。

こう書くと一方的な展開のようだが、これは北軍の初期方針に根本的な誤りがあったことに加え、無益に2個旅団をとばされるという事故があったからに他ならない。このため、会長ヒルは夕方に到着した軍団後続も全て市街戦に投入する展開になったが、もし北軍に幸運があって市街を守りきってしまうか、サドンデスを帳消しにするほどの損害が南軍に加えられらた場合は、南軍敗北は必至だった。というのも、2日目の焦点は市街南の大小ラウンドトップ〜デビルズ・デン方面に移るため、初日の段階でこちらをある程度ケアする動きになっていないと、今度は北軍のサドンデス勝利が現実味を帯びてくるからだ。この任務のために、1日目の夜間ターンにロングストリートが到着するわけだが、彼が予定攻撃地点に到達できるように道路を確保する必要から、ヒルもある程度は南方に延翼しなければならない。今回はそれを完全に無視しているので、万が一サドンデスを回避されたら、2日目の南軍の苦戦は必至だったのである。

もっとも、この極端な展開をまねいたのが僥倖とも言える北軍の不注意だったので、もうすこし研究が進めば素晴らしい展開になるだろう。いずれにせよ、マルチ向きの会戦級であることがはっきりと分かったし、次のプレイからは2日目の展開が勝敗を分けるような緊迫のプレイが実現できるはずだ。しかし、いくら本を読んでもピンと来ない部分が、ゲームでは一気に了解できてしまうのだから、このホビーはやめられないですね。

ゲーム後の打ち合わせでは、今期、新ジャンル・新シリーズにも意欲的に取り組んでゆくことが方針として打ち出された。TRPG、モデリング、そしてSLGとある意味、三種の神器で人生の徳俵に足がかかっている土俵際の漢・TKMを新メンバーに加え、我々がその手でつかむのは、神の未来か悪魔の過去か? ますます婚期は遠のきそうな予感である。

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