『Santa Maria Infante』
『Darkest December』

3月21日(火)、アルツマン会長と管理人の2人で、World Baseball Classic初代チャンピオンに日本が輝いたことを嘉し、ささやかな戦術級パーティを執り行った。プレイしたのはATS〈アドバンスト・トブルク・システム〉より、『Santa Maria Infante』と『Darkest December』の2モジュール。SMIは米第88師団によるイタリア戦線グスタフ線突破シナリオ集、DDはアルデンヌ反攻でのHotton近郊における独第116装甲師団と米第3機甲師団の激突を扱っている。

まず第一戦はSMIよりシナリオ9「Company G Stopped at 'The Spur' 」。The Spurは(尾根の張り出し)という意味で、緩やかに上り斜面になっているマップ地形のうち、道路から外れた制高点として重要な尾根を巡る陣地攻略戦である。SMIは44年5月という時期にかかわらず、あまりAFVが活躍しない地味な歩兵戦が中心となっていて、機関銃の恐ろしさを嫌と言うほど思い知ることになる。

定められた尾根のヘクスのうち、終了時に米軍が4ヘクスを支配していれば勝利。針鼠陣と掩蔽壕にこもるドイツ軍を、各個掩体から飛び出した米軍が襲うという展開だが、計4丁のMG42が待ちかまえている真正面に飛び出せるはずもなく、こうした陣地の制圧のために米軍には105mm砲の盤外支援と、81mm迫撃砲が与えられている。LOSを確保するために、米軍は初期配置指定エリア内の2カ所の制高点のいずれかに観測兵を置くことが予想できたので、ドイツ軍はこれを直接標準できる位置に掩蔽壕を置いて、直接照準のPAK38とMG42MMGを配置。また、勝利条件の尾根の上に針鼠陣3個と6個分隊、3丁のMG42LMGを配置した。


青いチップが勝利目標の尾根。道路沿いに米軍の各個掩体があり、
その背後に105mm砲の観測員と81mm迫撃砲が構えている。

管理人がドイツ軍、会長が米軍でゲーム開始。会長はシニアのサバイバルゲーマーなので(SLGができる環境になったらサバゲの熱が冷めたらしい)、戦術級に関しては非常に優れた嗅覚を発揮する。この場合、管理人が勝利目標上に針鼠陣を置いたことをミスと見て取り、至近に各個掩体を置いて、火力での圧殺を図った。実際、50口径ブローニングキャリバーを中心とする30GFもの火力で3個の針鼠陣のうち2つが中盤までに無力化され、ドイツ軍にはまともな分隊がいなくなってしまうが、建物の遮蔽を利用して背後に置かれたMG42MMGとPAK38の掩蔽壕には手出しができず、これが前線後方の観測陣地に対して遠距離射撃、および対戦車砲の直接射撃を繰り返す。これがイチローのバットよろしくの高打率でヒットしたことから、指揮官、BAR射手、迫撃砲操作員、守備分隊を次々と屠り、最後は対戦車砲の実体弾直撃で観測兵が四散。ついに105mm盤外支援が一度も効果を発揮しないまま、火力支援を喪失した米軍が勝利条件達成の不可能を認めて投了となる。制高点の火力制圧を最優先に考えた点が勝利の要因だが、針鼠陣の置き方にはもっと工夫があって良かったと思う。いろいろ反省材料の多いプレイだった。

第2戦はDDよりシナリオ10「Five-Seventeen Attack」 アルデンヌ攻勢の頓挫が次第に明らかになってきた12月22日、Melines近郊の交差点に集結していた116PzDの戦車部隊に対して、バズーカ装備の米軍空挺部隊が夜襲をかけるというもの。夜間戦闘なので視認距離が3ヘクスに狭まっていることとに加え、このシナリオの特殊設定で、ドイツ軍はアメリカ軍を黙視しないと一切の行動が禁じられ、LOS の外か平地以外の地形をたどれば、米兵は浸透移動でドイツ軍の隣接ヘクスまで進入可能となっている。これを駆使して絶好の射撃ポジションに着いたら、全軍が一斉にバズーカを発生するという流れだろう(もちろんインパルス制なので、最初の一弾が発射されたら、ドイツ軍は対応可能になる)。米兵が無傷だったとして、AFV2輌と歩兵1個分隊を全滅させればアメリカ軍が勝利する。米兵にミスがない限り、ドイツ軍としては初期配置に頭を絞る以外にない。〈Level 0 Open Ground〉を読み間違えて配置してしまった管理人のドイツ軍だったが、写真の位置に着いた空挺潜入チームが最終ターンに攻撃開始。パンターG型と4号h型各1輌をK-Kill、Sd.251-21をM-Kill、他歩兵分隊1個を屠る一方で、ドイツ軍の反撃はことごとく失敗。飛び出してきた独軍機関銃チームを機会射撃で粉砕した米軍が18VP差で勝利した。


プレイ後、シナリオを読み返したらドイツ軍戦車の配置にミスがありました。
正しくは緑色の平野部に配置です。

DDは出てくるAFVとシナリオの種類が多いのが好感だが、地形が地形だけに、純粋な戦車戦を楽しめるようなシナリオが少ない。SMIはシナリオ数が少なく、半分は歩兵戦中心。出てくる戦車も4号とM4ばかりで派手さは欠けるが、シナリオのまとまりは良くテクニカルだ。まだ総評できるほど遊び尽くしたわけではないし、会長も「ATSのシナリオは全部プレイする」と意気込んでいるので、この先の展開が楽しみである。

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